鬼の目にも四つ蛇
「奴らはオデッサを撃った」が終わってまだ時間が有ったので、我が家ならすぐ終わりそうなシナリオ13 Le Manoir 田園の館をやりました。ノルマンディー上陸時、アメリカ空挺部隊は目的地に向かうために、機関銃が待ち構える田園の館を占領する必要があった。アメリカは8ターン以内に、4T3と4S2の建物を両方支配したら勝利です。ただしアメリカは、混乱していない分隊相当数が4以下になったら、その時点で敗北です。丘と麦畑は無く、生垣・石垣はボカージュで、建物は全て石造です。
守るドイツはエリートたった2.5個分隊とヒーロー、機関銃重2中1、狐穴3を、4S3から4ヘクス以内に隠匿配置します。これを攻めるアメリカは、空挺11個分隊と中機関銃2、軽迫撃砲2、バズーカ5を、2T1から3ヘクス以内に隠蔽無しで配置します。
このシナリオを普通に戦力評価すると、攻撃側51%優勢予想勝率25割という狂ったバランスになります。しかしこのシナリオのドイツには、分隊数に比べて普通より遥かに強力な機関銃があります。普段は機関銃火力が概ね分隊数に比例すると考え、機関銃の数を計算していませんが、今回はドイツ機関銃を重は1個分隊、中は0.5個分隊として計算してみます。するとそれでもアメリカは16%優勢のほぼ必勝なので、ドイツを1.5個分隊増やして、アメリカが1%優勢なだけにしました。
子供がアメリカ、私がドイツです。
第1ターン、アメリカは軽迫撃砲だけを長距離支援に残し、残りの全軍をボカージュに隠れてドイツ右手の2へクス建物に向かわせます。するとドイツ鬼スタックが勝利条件建物前の林の狐穴に登場。重機関銃1丁はヒーローと7−0指揮官に持たせて30火力−2修正で、迫撃砲をもった半個分隊を消滅させました。アメリカ軍は皆陰に隠れて一旦隠蔽を付けます。
第2ターン、隠蔽を付けたアメリカ軍は突撃で物陰から一斉にドイツの目の前に姿を現します。
ターン後半、早くも決戦。ドイツはまず24火力半減の12火力−2で、近くの林のフルスタックを撃ち、2個分隊を混乱させて、重機関銃は維持。さらに残った火力で次々と平地のアメリカ軍を混乱させ、無事なアメリカ軍はあと5個です。そしてドイツは最後の火力で、無事なのと混乱したのが1個分隊ずついる所へ射撃しモラルチェック。そして無事だったアメリカ分隊は混乱。
ドイツ「よし、これで4個になった。勝ちだ!」
しかしアメリカ「混乱した方のモラルチェック、2、戦禍、6、ヒーロー&クラス上昇で復活」
ドイツ「ありえんだろーーー!」
アメリカの奇跡的な目で勝ちを逃してしまったドイツですが、幸いアメリカ中機関銃の射撃も10で外れて、鬼スタックは無傷でした。彼らは突撃で後ろの石造建物に移ります。
第3ターン、アメリカは回復でも2を出し、またヒーロー&クラス上昇で、5人目のSMCによりさらに半個分隊相当増加。いったいどうなってるんだ。しかし勝負を分けるのはアメリカ中機関銃スタックの射撃。どうだ?また外れ。
ドイツ「よーし、今度こそ勝った!次に30火力−2で中機関銃を吹き飛ばしてやる!」
アメリカ「その前に軽迫撃砲、2、致命的命中、IFTで4、7−0指揮官死亡」
ドイツ「はー?蛇の目3回目だぞ。でもまあ7−0で良かった。」
アメリカ「そしてバズーカ、2、致命的命中、IFTで4、9−2指揮官と分隊が両方KIA、ドイツ指揮官全滅」
ドイツ「・・・」
アメリカ勝ち。極悪サイの目もさすがに3戦続けば終わりだろうと思っていたら、最悪の形で4戦目が出てしまいました。

思った通りすぐ終わりました。特別な理由が無ければ両者とも戦力を集中するのが最善で、そうなれば決戦1回で片が付くのは必然です。
またアメリカの蛇の目4発がひどく目立ちましたが、アメリカは中機関銃の2連大外しもしており、ドイツの射撃も割と良かったのを考えれば、サイの目全体ではそれほど偏っていた訳ではありません。すると今回の計算法による戦力調整で、概ねバランスは取れていたと思われます。今後このような小規模で機関銃のバランスが偏っているシナリオでも正確に評価できるよう、今回の方法をベースに評価方法の修正を考えてみます。
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