雪深き山に潜む棘
 
 今日のASLは、シナリオA10「国境は燃えている」。ソフィン戦争初日、フィンランド軍は守りに適した深い雪の積もる山と森林で、ソ連の進撃を食い止めようとします。ソ連は西の道路どれか1本から、45VP以上突破させたら勝利です。
 ソ連は10−2指揮官率いる26個分隊と、T−26Sが5両で攻め、ELRは2しかありません。大雪なので、ソ連車輌は道路を外れると、移動へクスに応じたボグのリスクがあります(1回の小隊移動につき1回のみで、戦車ごとではない)。またゲーム開始前に4へクスを指定し、最初の準備射撃にそこから通常の誤差で120ミリ攪乱砲撃を落とします。
 これに対してフィンランドは、ELRが4あるものの、たった12個分隊で、対戦車兵器も20ミリATR2丁くらいしかなく、地雷24火力、ロードブロック2、鉄条網12と大雪で、どれだけ食い止められるのか。フィンランド軍は冬季迷彩で、可能な地形なら狐穴を置けます。さらに6個分隊が隠匿でき、それ以外の部隊は隠蔽地形でなくても隠蔽にできます。そしてフィンランド兵は弱めのATMMがあります。
 戦力評価が難しいですが、ソ連が右の山を攻めた場合、丘攻めの補正0.5倍で、ソ連9%の優勢、予想勝率6割。逆に左の森を攻めると、森では戦車が役に立たないので、歩兵だけの戦力で計算し、ソ連2%の優勢で予想勝率5割となります。しかしROARだとフィンランドが70%勝っています。
 子供がフィンランド、私がソ連です。


 フィンランド軍は左右どちらにも配置されていますが、6個も隠匿されているので、ソ連からはどちらが多いか分かりません。しかし戦力評価の結果から考えても、戦車を生かせる山を攻めた方が良いだろうと、右側を集中攻撃することにしました。
 まず盤外砲ですが、全部フィンランド軍のいない方にずれて効果なし。ソ連は機関銃の準備射撃で2か所のフィンランド軍を撃ちましたが、これも9と10を出して効果なし。そして山の前面には鉄条網の列が広がっていましたが、もう方向転換はできないので、鉄条網の直前まで安全そうなルートを慎重に前進します。すると2か所で撃たれて、2個分隊が損耗とクラス低下。弱すぎ。
 そして防御射撃では、山に隠れていたフィンランド機関銃スタックが登場し、ソ連の重軽機関銃スタックを攻撃。これ自体は1個分隊が混乱しただけでしたが、発動した狙撃兵が沢山の前線部隊を飛び越えて丁度このソ連機関銃スタックに当たり、しかも指揮官を殺害してしまって、スタックは壊滅状態となります。
 ソ連もうだめなんじゃないか?
 ターン後半、森の中のフィンランド軍は、隠れていたものも含めて山に向けて移動を始めます。ソ連の10−2率いる中機関銃スタックは、やっと1つフィンランド分隊を混乱させました。

 第2ターン、ソ連軍は左手で森から狙っていたフィンランド軽機関銃を撃ち、損耗させることに成功。そしてソ連戦車と歩兵は最初の鉄条網突入を開始します。
 鉄条網なんていつも簡単に抜けているので、このままどんどん進もうと、ソ連は思っていました。しかしボグチェックの修正を数えてみると、鉄条網+2、大雪+2、弱い戦車なのに中接地圧で+1。7以上でボグ??で、ボグになりました。一緒に進んだ歩兵も、24火力の機関銃スタックに撃たれてクラス低下。
 えええ???こんなんじゃ山を取るなんてまるで無理だぞ。ソ連はこれだけの数があれば、集中攻撃で山を占領してフィンランドの妨害を排除し、十分勝てるだろうと思っていましたが、それは現実のソ連のように甘い考えでした。
 ここから右手の道路の進撃に切り替えたとしても、鉄条網を抜けるのに時間がかかり、そこを山から撃たれ続けます。そうこうしている内に森からの援軍が来て、どうにも進めなくなるでしょう。ソ連これは無理、投了します。



 大雪の山と鉄条網という組み合わせが、想像を超えて困難でした。多くの人が罠に嵌ったのも納得です。ソ連は左の森から攻めてほぼ歩兵だけで戦うか、右から攻めるなら山を登らず、戦車を並べながら右端の道沿いに進むべきなのでしょうか。

 
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