絶望の街
今日のASLは、レッドバリケードRB1のOne Down, Two to Go。一回落としたけど、まだもう二回も行けるよという意味かな。先行きやばそうなタイトル。1942年、スターリングラードでのドイツの攻勢です。ドイツは8ターン終了時に、20か所以上の石造建物・石造瓦礫区域を支配していれば勝利です。レッドバリケードでは複数へクス建物に要塞化地下室があり、それも勝利条件に含まれます。
ドイツの戦力は、右手に4−6−7の14個分隊と中機関銃、100ミリ砲支援の無線機の初期配置、同じく右手から第1ターンに10−2指揮官率いる5−4−8エリート13個分隊の重機関銃1つ付きが入ってきます。さらに第4ターンには9−2指揮官と5個分隊、そして現在のターン数より小さい目を出したターンに4号戦車3両(長砲身1、短砲身2)が、やはりどちらも右手から出てきます。また5ターンまで毎ターン、dr3以下でそのターン限りの爆装スツーカ1〜3機が来ます。
一方ソ連の戦力は、初期配置が25個分隊と重機関銃2、中機関銃3、80ミリ盤外迫撃砲の電話、T34M41のキューポラ(瓦礫に隠匿配置可能)、76ミリ短砲身歩兵砲1、45ミリ超長砲身対戦車砲、塹壕6、地雷原36火力、要塞化10区域があります。両軍の配置後、隠匿されていない歩兵でドイツに近い側にいるものは、モラルチェックをしなければなりません。さらに現在のターン以下の目が出ると、14個分隊(内9個は徴募兵)が、また第5ターンには8個分隊が出てきます。
なんだか随分ソ連軍が多いですね。また戦力評価をしてみましょう。えーと、ソ連が25%の優勢?、、ドイツの推定勝率0割、、、えぇ。私がドイツ、子供がソ連です。20%超の劣勢を初めて跳ね返すことができるでしょうか?
ソ連軍は、ドイツ配置範囲正面の建物群を中心に、ドイツ側から見て右手中ほどの石造建築、左手中ほどの3階建て石造建築に分けて配置されています。盤上に多数の勝利条件区域があるので、兵力を分けて置かなければならず、前線ではいきなりモラルチェックを食らうという不利が、ソ連にはあります。しかしソ連は、混乱した部隊が塹壕を通って退却してすぐコミサールで回復でき、戦力評価に入れていない重中機関銃、地雷や要塞が多数あり、逆にドイツには回復地形が少ないので、戦力評価を覆すような優位がドイツには見当たりません。ドイツは作戦でこの絶望的な状況を覆すしかないのです。
ドイツがまず目をつけたのは前面の建物群と左手中ほどの3階建て建物の間の敵のいない隙間。ここを抜ければ奥の工場を占領して勝てるいいルートに見えます。しかしよくよく考えると、まず左にシフトして破片に足を取られなが進まなければならず、その間にソ連軍は塹壕、工場内を通って先回りしてくるでしょう。そして奥に見える電話らしいところからろくな防御地形も回復地形も無い所へ盤外砲を落とされ、三方から撃たれて行き詰まりそうです。
かと言って単なる正面攻撃は、混乱させてもコミサールで即回復の繰り返しになり、まず無理です。そこでドイツは右正面と右側面に回り込んで攻撃し、角から崩していくことにしました。右側面には鉄道が走っており、これが石垣の働きをするので、側面に回り込みやすくなっています。
第1ターン、ソ連のモラルチェックは多少の混乱を出しただけに終わり、ドイツは機関銃部隊に射撃待機させると、前進を開始します。破片だらけで進みにくい中央正面は初期配置の支援射撃部隊を置き、増援のエリートはまず右手正面を進みますが、この方面を狙っていたT−34キューポラが、中央の瓦礫の中から登場して撃ってきます。他にも機関銃らしきソ連兵があちこちいるので、ドイツは大胆な前進を避け慎重に進みます。
そして右手側面へも半個分隊を中心に部隊を進めていきますが、もう撃てるソ連軍も残っていなさそうになったなので、最後に10−2指揮官のフルスタックを一気に線路沿いに前進させました。ところがここで線路奥の建物2階に75ミリ砲が登場。砲は普通2階には置けないのですが、1、2階を両方要塞化した時は例外なのです。石壁の働きをする鉄道も、正面60度の範囲の高所からの攻撃には無力。そしてソ連は3の目を出して致命的命中、ドイツいきなり終わったか?しかしIFTでは11が出て、ドイツはなんとか生き延びます。
ターン後半、スツーカは最大の3機が登場。ソ連は両脇の建物から中央に援軍を送ります。ドイツはスツーカでそれを狙う手もありましたが、やはり戦車が出てくるまで破壊が困難なキューポラを攻撃します。しかし機関銃で麻痺させたものの、爆弾は当たらず破壊はできませんでした。ドイツは機関銃でソ連の砲を混乱させましたが、ソ連にはなぜか予備の操作班がおり、それが交代でやってくるので、結局意味がありません。どうすればいいんだ。
第2ターン、ドイツはふわふわ煙幕を落としてみます。これがちょうどソ連キューポラや機関銃を遮る位置にずれ、ドイツ大前進のチャンス。最近よく使う、海に帰るウミガメのようにあたり一面に広がってじわじわ接近する、ウミガメ戦術を発動します。当然ソ連は必死に防御射撃をしてきますが、重機関銃はROFを維持できず、隣接されたキューポラや中機関銃はどちらも故障してしまう始末で、ばらけているウミガメには大して効きません。
そしてここでウミガメ戦術の真骨頂。ウミガメたちは巨大火力グループを作り、36火力+の前進射撃を仕掛けます。これで要塞内を混乱させれば、一角に侵入できる。ところがなんとソ連兵はこの強力な攻撃を持ちこたえてしまいます。さらにドイツはキューポラに対する白兵戦を仕掛けますが、これも討ちもらしてしまいます。結局ドイツの戦果は白兵戦で半個分隊の損害を与えたのみで、損害はドイツの方がずっと多くなっています。
そしてターン後半、ソ連は早くも増援登場、スツーカは一機のみ。ソ連は攪乱砲撃を落とし、致命的命中でキューポラに迫るドイツ分隊を除去したり、混乱ドイツ兵にヒーローを登場させたりしました。ソ連増援は前線に向かって移動し、キューポラでは戦力を追加して白兵戦が続きますが、どちらも戦果無しに終わります。

第3ターン、ドイツの戦車はまだ到着せず。ドイツはウミガメ戦術を継続し、角の要塞に前進射撃。そして今度こそソ連兵を混乱させ、一角の占領に成功します。さらにキューポラにも援軍を送り、ようやく白兵戦でこれを倒します。しかし大量のソ連増援が近づいている中、こんなペースで間に合うのか?
ターン後半、スツーカは無し。そしてドイツの占領した要塞区域へ、隣の部屋からソ連の準備射撃。でもドイツはエリート2個と半個分隊で要塞に守られており、16火力ではほとんど効かないはず。ところがモラルチェックを食らったドイツ軍は、エリート両方が12を出し、損耗混乱二線級落ち。半個分隊も混乱したので、ソ連はあっさり要塞の奪還に成功です!機関銃部隊もソ連重機関銃に撃たれて混乱したドイツ、もうダメ、投了です。
ドイツの運は決して悪くありませんでしたが、それでもどうにもなりませんでした。この兵力差で爆薬も火炎放射器も無しに要塞を攻めるなんて無理でしょう。線路沿いのルートを狙っていたソ連の砲と機関銃の配置が非常に強力で、これによって唯一の頼みの側面回り込みもできなくなり、勝負がついた感じです。やはり20%以上の優勢を覆すというのは、極めて難しいようです。
しかしASLアーカイヴではドイツが勝率54%でむしろ若干優勢なのですが、いったいどうやったらソ連はそんなに負けられるんだろう?
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