竜派の門へようこそ
 
 鈴木拓也 (Suzuki Takuya)さんとの初めての対戦で、J147 Into the Grinding Mill「粉砕機の中へ」をVassalでやりました。第二次上海事変で沿岸部を占領した日本軍は、強力な火力を持って中国軍の待ち構える陣地を攻撃した。あまりの惨状と熾烈さから、そこは血肉を挽く粉砕機と呼ばれた。日本は6.5ターン終了時に、混乱していない中国MMCが12R6から4ヘクス以内にいなかったら勝利です。浅いジャングルの太平洋地形ですが橋と道路はあり、道路は土で、小川は深く、建物は全て小屋でない木造平屋建てです。
 守る中国は、一線級12個分隊とAP地雷18戦力、埋め込みのFT-17C2両、75*野砲3門、トーチカ3、塹壕9、鉄条網4を初期配置します。そして第3ターンには、エリート4個分隊と爆薬1、47*のヴィッカース6トンが2両、西からやって来ます。中国はまずトーチカ、塹壕、鉄条網を配置し、その時点で日本が2か所の事前照準を決めます。そして両軍の配置が終わった後に、事前照準の盤外砲のようなずれと範囲で、事前砲撃を受けます。
 これを攻める日本は、エリート4個一線級8個二線級7個分隊と10−2指揮官に、火炎放射器1、爆薬2が、初期配置か第1ターンに東から侵入。また57*のチロさん5両が、第1ターンに東から侵入します。

 集中決戦戦術を中心とする臥竜戦術(INBさん曰くDragon style)を確立して以降、今回初めてそれを主要戦術としない「非主竜派」の方と対戦しました。したがって今回の対戦最大の目的は単に勝つだけでなく、集中決戦戦術の絶大な威力を体感してもらい、できれば竜派入りしてもらうことにあります。
 実はこのシナリオは鈴木さんとINBさんが立場を入れ替えて二度対戦し、二度とも日本が勝っているものです。そこで全く同じ条件で私が中国を持って圧勝できれば、シナリオのバランスのせいでも運のせいでもなく、戦術が圧倒的に勝っているのだということを、一発で理解して頂けると考えました。そして戦力評価でも十分それが可能と予想されています。
 そのためにシナリオ条件はお二人がやった時同様、バランスルールで日本にヒーローと火炎放射器を与え、本来周囲2ヘクス以内である事前砲撃の範囲を、その時誤っていた1ヘクス以内としてやりました。
 そういう訳で、鈴木さんが日本、私が中国です。


 さて中国の守り方ですが、まず勝利条件エリア内に集中配置するのは当然です。さらに左(南)側では、前面の建物2つが離れていて防衛線に含められず日本側の足掛かりになり、大きな建物と左の建物の間に隙間があって、守りにくい地形になっています。そこでこちら側を主に鉄条網、地雷、トーチカ、野砲で強化します。
 一方右側は平地攻めに近い形なので、歩兵以外の守りは脇の野砲とFT-17C1つずつ、さらに奥のFT-17Cもう1両で足りると考えました。それから木造建物は事前砲撃に弱いので、ユニットは最初全て塹壕とトーチカに置きます。
 これに対し日本は全戦力を右(北)半分に配置しました。そして事前砲撃では日本軍に近い右の鉄条網と建物が1つずつ崩されましたが、ユニットの被害はありませんでした。

 第1ターン、日本軍は一斉に小川を渡ります。その途中フルスタックに野砲を6以下で当てるチャンスがありましたが、これは外れました。
 ターン後半、野砲が今度は戦車を撃ちますが、AP弾は無くHE弾も外れ。さらに中機関銃が撃つと、いきなり故障します。ならFT-17が歩兵に榴弾を撃つ。これまた故障。・・中国運悪い。気を取り直して中国は部隊を右側に移動させ、守りの陣立てを整えます。

 第2ターン、中国は修理もできず。そして日本の攻め方は・・「ウミガメ戦術を使ってきたか。」あのサイの目の上にウミガメで来られたら、中国は勝てないかもしれないぞ。結局日本は9−0指揮官を失ったものの、他はチロさん1つが衝撃になっただけで、あっさり接近成功。
 しかもターン後半、チロさんは一発回復したのに、中国FT-17は壊れました。まずいまずいまずい。しかしここで中国は林の日本機関銃に迫撃砲を撃ち、運良く操作班を除去します。「よーし、機関銃スタックもこの調子で挽回だ!」11、故障。あー。そして野砲も煙幕が無く、反撃を受けて操作班消滅。あー。

(下が東)

 第3ターン、日本は10−2の機関銃スタックを射撃待機すると、残りは全て移動し中国側建物群に肉薄します。中国は臨機射撃で3を出し1個分隊除去しましたが、直後に日本は待機した機関銃の連射で、3!4!3!2!中国分隊4個が混乱・クラス低下か損耗。なんじゃこりゃ。その後の格闘戦も日本が一勝一分。
 ターン後半、中国の機関銃は直りましたが、混乱した歩兵は回復せず。中国は白兵戦勝利後の日本兵を撃って少し損害を与えただけで、他にできることは戦線の後退と増援の呼び寄せだけ。中国何とかなりうるの、これ?

 第4ターン、日本軍は全員移動で、戦車は道路を縦一列になって進み、歩兵は混乱中国兵の追撃を除いて建物・瓦礫内を進みます。するとヒーローがダミーに突っ込んで、後ろで待ち構えていた36火力射撃に殺されました。さらに中国は待ち受けた戦車で、日本戦車を撃滅する大チャンス!のはずが、命中、箱車(12)、命中、箱車、歩兵射撃、箱車。本当になんなんですかね、これ。でもまだ次の準備射撃がある。
 しかしターン後半、戦車戦は互いに1つずつ衝撃にしただけ。先撃ちの利を持つ中国がなぜ勝てない。歩兵射撃戦も痛み分けです。それでもここで中国には絶好の機会が。ピンでCXの日本兵には決死隊、戦車には街路戦闘を仕掛け、一気に状況を好転させるのだ!・・何でこんな有利なのに両方負けるかな。別に中国のサイの目悪くないと鈴木さんは言うけれど、私にはとてもそうとは思えないよ。


 第5ターン、衝撃戦車は互いに回復せず、日本はまた全員移動。えっ、そうなんだ。至近距離で移動するので、日本軍にはそれなりの損害が出て、日本の衝撃戦車もヴィッカースに撃破されました。そして日本は前進射撃でピンにした中国分隊2つに格闘戦を仕掛けますが、今度は中国が1勝1分。やはり白兵戦は水物です。
 ターン後半、うんうん苦しんでいた(UK)ヴィッキーはラッキーな回復。そして2両のヴィッキーは、機関銃が故障したものの、日本戦車を1両衝撃1両破壊し、ついに本気を出してきました。一方中央の大建物では、突出した日本半個分隊を30火力で混乱させて安全な退路を開き、白兵戦に勝った分隊がそこを通って後退します。
 そして混戦では日本が勝ったものの、中国にはまだだいぶ戦力が残っていて、前半の目がかなり悪かった割には、十分戦えそうな感じになってきました。やはり接近はともかくいざ戦闘となると、これを主とする竜派とそうでない非主竜派の間には、思った以上に力量差があるようです。

 第6ターン、日本は白燐弾と煙幕を1つずつ置いただけで、また射撃をせずに総進撃しました。そして機関銃が故障していたヴィッキーは、タンクハンターを止められずに撃破されましたが、衝撃から即回復したチロさんもまた、残ったヴィッキーに撃たれて走行不能・放棄となります。
 そして日本は前進射撃の効果も限定的で、白兵戦では1か所勝ったものの、もう1か所で箱車を出し中国兵に逃げられてしまいました。ここでなぜバンザイ突撃をしなかったのかと思う人もいるかもしれませんが、日本は既に10−2以外の指揮官が皆殺されていてできなかったのです。
 こうなるともう中国の方が有利。ターン後半中国は、まず戦車と重機関銃が撃ち、7−0が爆薬を仕掛けに行って、日本の射撃力を消費させます。その上で残りの部隊が塹壕の中と建物の裏を通り、日本の臨機射撃を躱して後退。最終射撃でも日本は何も倒せず、もう次のターンだけで中国軍を全滅させるのは不可能となったので、これで中国の勝ちです。



 当初狙っていたように全体作戦(布陣)だけで日本軍を圧倒するには至らず、プレイ中の部隊運用の差でようやく勝てたにとどまりました。残念ながらこれでは、集中決戦戦術の絶大な威力を一発で理解してもらうという目論見には、到底足りません。これは前半の目が悪く、布陣が少し甘かったせいもありますが、実は中国の戦力優位も計算ほどには高くなかったようです。
 今までの日中戦の結果データでは、予想勝率と比べて攻撃側の勝率が高くなっていましたが、これはサンプルが少ないことによる誤差の可能性があり、特に補正をしていませんでした。しかし日中戦では両軍とも火力が低くて攻撃側の接近を止めにくく、特に日本は先撃ちされてMCに失敗しても作戦を継続できるため、これは誤差でなく実際に防御側が弱いものと思われます。そのため戦力評価で日中戦争の防御側は、今後質を−0.1としていいでしょう。
 ただ鈴木さんからは、このシナリオでこの守りを破るのは難しいとの言葉を頂いたので、ある程度は集中決戦戦術の有効性を感じてもらえたのではないでしょうか。そこでこれからも何度か対戦して勝ち(できれば圧勝し)続けることによって、このシナリオに限らない臥竜戦術の絶対的優位をお見せできればと思います。ただ鈴木さんはしばらくゲームのデザイン等が忙しいそうなので、それはもう少し先の話になりそうです。

 
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