こんな時期に初期型IS-2は居ない
 
 今日のASLは、J110 The Prelude to Spring 春への序曲。1944年12月、ソ連はハンガリーで止まらない攻勢を開始した。ソ連は22VP以上西に脱出させるか、8ターン終了時にドイツより15CVP以上多く稼いでいたら勝利です。積雪があり、建物は全て木造平屋建てです。
 守るドイツは4.5個分隊と75ミリ対戦車砲を初期配置し、第2ターンに2.5個分隊とパンター1両、4号戦車2両が西からやって来ます。
 そして攻めるソ連は最東のボードに、エリート9個分隊と9−2指揮官、IS-2を2両、SU-100を1両、T-34/85を2両初期配置します。第1ターン、戦車の移動力は半分しかありません。
 ASLではいつになっても初期型IS-2の方が多く出て来ますが、これはおかしいのではと思ってジェミニさんに聞いてみました。すると月間生産数、生産開始時期、損失から推論して、1944年9月ころからIS-2m(IS-2後期型)がIS-2初期型の数を上回り始め、12月にはほぼIS-2mに置き換わったとのことでした。そこでこのシナリオのIS-2を、IS-2mに置き換えてやることにします。ただしゲームバランス上、IS-2mの脱出VPは8のままとし、ドイツにはパンターをもう1両追加します。
 子供がソ連、私がドイツです。


 第1ターン、ソ連軍が進んで来ると、ドイツ軍は後方の森に後退。第2ターン、さらにソ連がIS-2mを先頭に進むと、ドイツの臨機射撃でソ連歩兵がいくらか混乱しました。そしてドイツは増援のパンターでT-34/85を撃ちに行きましたが、側面を見せていた一瞬を当てられて1両破壊され、追加移動力を使ったもう1両も走行不能になってしまいました。


 第3ターン、走行不能のパンターを狙って、IS-2mとSU-100が移動射撃を繰り返しましたが全部はずれ。パンターの反撃も外れたものの、先頭のIS-2mは榴弾に撃たれてスタンしました。さらに隠れていたドイツ野砲が、生け垣まで進んでフルスタックしていたソ連歩兵に防御射撃し、蛇の目1KIA!主力歩兵を撃退し、ドイツは次にチャンスを生かせるか?
 ターン後半、走行不能パンターがまずSU-100を燃やします。しかし機関銃を拾いに来た歩兵を撃った野砲は、故障してしまいました。続いて4号戦車2両が、車懸かりでIS-2mの背後から撃ちましたが、当たりません。
 そこでさらに歩兵が周り中からIS-2mに隣接して行き、パンツァーファウストそして白兵戦を狙います。しかしこれも次々と撃退されていきました。ただ唯一バーサークしたのだけが、突入に成功します。そしてパンツァーファウストは撃てなかったものの、白兵戦で見事IS-2mを撃破し、ドイツの意地を見せました。
 とは言え、もはやドイツ軍は壊滅寸前で勝ち目が無いので、ここで投了です。

(下が南)


 強力な後期型IS-2m相手に、ドイツ軍も様々な手段を駆使して精一杯の損害を与えるものの、やはり質と量に勝るソ連軍を止め切れないという、この時期らしい展開となりました。
 実はIS-2mという呼び方は誤りで、戦中は初期型も後期型もIS-2と呼ばれていたのが、近年明らかになったそうです。そのためシナリオデザイナーが、IS-2となっている資料を皆初期型と解釈したか、後期型(IS-2m)と初期型(IS-2)の関係を、ティーガーIIとパンターのような少数強化型と量産型だと勘違いしたのでしょう。なので最新の歴史研究を反映したい人は、44年9月以降なら過半数、12月以降なら全部を後期型(IS-2m)に代えると良いと思います。
 それからソ連戦車はドイツ75ミリ砲に正面から倒され得ず、ドイツの増援戦車を待ち伏せできます。それにより戦力評価では、ドイツ戦車が0.25倍で計算される上、IS-2mも2倍に数えられて、予想勝率はソ連107%の必勝となっていました。今回はソ連がリスクを冒して積極策を取ったので、ドイツも結構ソ連戦車を倒せましたが、安全に攻めていればまずドイツに勝ち目は無いでしょう。これによりIS-2m1両を2両分と数えるのが妥当だということも、改めて確認できました。

 
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