遥かな丘を望む布陣
INBさんとVASSAL対戦、今回はAP57 Kleckerweise 小刻みに。セダン近郊のドイツ橋頭保に対し、フランス軍は有り合わせの部隊で反撃した。これに対してドイツも、到着した増援を逐次投入していった。全ての建物は石造で、アパートは1階建てです。
まずフランスは、任意のプレイヤーターン終了時に、丘538のレベル2のヘクス全てを支配していたら勝利です。またドイツは、第5フランスターンの終了時に、フランスが丘538のレベル2のヘクスを、1ヘクス以下しか支配していなかったら勝利です。もしどちらも起こらなければフランスは、9ターンの終了時に、丘538のレベル2のヘクスか、ボード1bの建物の、どちらかでも1つ以上支配していたら勝利です。
当初守るドイツは、エリート3個分隊と37L対戦車砲2門を、ボード10に隠匿配置します。そして第3ターンには、20Lの2号戦車2両と37Lの3号戦車2両が、既に4MP使った状態で北から入って来ます。さらにエリート15個分隊と9−2指揮官に、爆薬2、2号戦車1両、3号戦車3両、75*の4号戦車2両を、それぞれ戦車2両と3個分隊以上がいる3つのグループに分けます。これらは第3ターンにボード10の東から、第4ターンに北西からと、ボード1bの東から、それぞれ分かれて入って来ます。
そして先に攻めるフランスは、一線級12個新兵6個分隊と、25LL対戦車砲2門、37*のFCM36 8両を、ボード1bのCC10から5ヘクス以内か、ボード1bの道路ヘクスに、隣接する所へ初期配置します。
かなり変わった勝利条件で、正しく戦力評価できるか分かりませんが、状況的にはフランスが圧倒的な戦力で丘を攻めた後、ドイツが増援で攻め返す形なので、攻防不明の分割防御として計算します。すると予想勝率は、フランス48%の非常に良いバランスとなりますが、果たして。
INBさんがドイツ、私がフランスです。
フランスは当然ながら、必要も無いのに戦力を分けるなどということはせず、砲を除く全軍で丘攻めです。
第1ターン、フランスはばらした部隊で森の中を探り、安全を確認した上で鬼スタックを石造建物に送ります。そして戦車は横並びになって平地を進み、起動中のまま移動を終えました。すると奥の小さな2つの森から、2門の対戦車砲が撃って来て、戦車1両が走行不能。ドイツは、最も固い石造建物に歩兵の大半を置き、それに守られた後方両脇で対戦車砲が見張る非常に優れた配置です。
ターン後半では、戦車さらに2両が破壊されましたが、フランスは石造建物内のドイツ軍半個分隊を除去し、指揮官と分隊を混乱させ、狙撃兵が対戦車砲も混乱させました。固いはずの戦車がいきなり3両脱落したのは痛いですが、フランスもまだ何とかなる状況。

(下が南)
第2ターン、残るドイツ軍に止めは刺せなかったものの、その火力は僅かなので、フランス軍はどんどんと前進します。戦車3両は丘に向かい、2両は残った対戦車砲を迂回して射撃を当たりにくくしました。歩兵も森と平地に分かれて進み、森に隠れていたドイツ半個分隊を白兵戦で倒します。
さらにターン後半、混乱していた対戦車砲は、回復で箱車を出して死亡しました。ドイツ軍の射撃も効かず、フランス鬼スタックが防御射撃で蛇の目を出したので、これで決まったかと思ったら、ドイツ指揮官も蛇の目を出して復活クラス回復し分隊も無事。なんだそりゃ。しかし戦車と対戦車砲の白兵戦では、対戦車砲が操作班の反撃を食らって自滅してしまいました。予想もしなかった展開です。
第3ターン、今回こそは石造建物のドイツ軍を何とかしないと間に合わない、と願って撃ったフランス鬼スタックの射撃は効果なし。早く丘の上に上がらないといけないので他の射撃は諦め、まず3両の戦車が丘を登り始めます。そして森の中や隣にいる歩兵は森を進み、ファイアレインを敷かれた所で、右の戦車が単独移動でファイアレイン潰しに行こうとしましたが、TCに失敗しました。仕方なく平地の歩兵は森林道に戻りますが、迫撃砲を持った新兵は入り口でディスラプト。圧倒的戦力を持って素早く丘に登りたかったフランスにとっては、厳しい状況です。
そしてドイツに増援が来る後半、入り口で待ち受けているフランス戦車を、ATRがいきなり背後から破壊。これでフランスの守りはいきなり瓦解。東から来たドイツ戦車は、スモークディスチャージャーを焚きながら楽々通り抜け、歩兵と一緒に勝利条件の丘を見張る絶好の高台に登ります。そして北から来たドイツ戦車も、勝利条件の丘の裏手に進み、次の攻撃に備えました。
うわー、これ。もうフランスは歩兵が丘に登れないし、次ターンの増援と一緒に総攻撃されたら、フランス戦車も全滅するんじゃない?もう負けなのでは。

(下のフランス鬼スタックの隣にいる半個分隊は狙撃兵除け)
第4ターン、フランスはひとまず取り残された戦車が、後ろから3号を倒してくれれば・・弾かれた。なら追加射撃・・やっぱり弾かれた。それなら走行不能のやつが崖の上の3号を・・・故障してんじゃねえ。こうなったら機関銃で崖のドイツ兵を撃て!1個ピンにしただけ。終わった、フランス完全に。
何にしても丘の上を取らなければ、次ターン確実に負けるので、丘の中腹の3両は頂上に上がります。これらがいきなり破壊されるのは免れたものの、下に取り残された戦車は、隣からATRを撃たれて衝撃になりました。歩兵もドイツ軍の火力がきつくて森から移動して出られず、突撃で道路に散らばるだけ。
さあ後半は残るドイツ軍も出て来て、審判の時。まず衝撃のフランス戦車は、再び隣から撃たれて炎上しました。しかし崖の3号の射撃は弾かれ、丘の上ではフランス軍ひとまず生き延びています。そしてドイツは歩兵を動かした後、もちろん緩い手を取ることなど無く、次ターンに勝ち切るべく戦車で総攻撃を掛けてきました。
まず北西の正面から3号が丘を登ると、FCM36に撃たれて走行不能、操作班は脱出し、地上から歩兵に撃たれて混乱しました。これで地上は軽機関銃も撃ってしまったので、装甲の薄い4号戦車が南から背面に隣接します。「これはまずい!」フランスは振り返ってでも撃ってみるしかありませんが、見事命中衝撃。「ふー、助かった。」
しかしまた別の3号が、まだ撃っていない1両の背後に隣接してきます。さすがにフランスもう無理か。ところが最後のFCMもまた、振り返って射撃を当てこれを撃破。他にもう2両いる3号も近付きましたが、このターンは当てられませんでした。フランス奇跡の防衛です。
しかし第5ターン、フランスは別にまだ勝ったわけではない。やっと互角に戻した程度。ここで戦車が2両やられたら、やっぱりいきなり終わる。そこでまず2つのフランス迫撃砲は、崖の上の3号を撃ちますが、片方が故障しただけで効きません。装甲の薄い戦車には効きやすいはずなのに。
続いて丘の上から2両でふもとの3号を撃ちましたが、やっぱり効かず。このままではまずいので追加射撃、そして衝撃。ぎりぎり。さらにもう1両は、走行不能の抜け殻を撃ってこれを破壊しました。それにしても鬼スタックは、もう何回も石造建物撃ってるのに、全然効かないなあ。その後フランス歩兵は死角を狙って、道路に出て行きます。
防御射撃では歩兵の損害こそ少なかったものの、崖の3号の射撃でFCMが1両衝撃。痛み分けでまだまだ予断を許さないものの、なんとかこのターンのフランスサドンデス負けは回避されました。
そして白兵戦。フランスは指揮官も投入して、2つの衝撃ドイツ戦車に突撃します。結果は1両破壊1両走行不能。フランス大勝利だ。これで少し良くなってきたか?

5ターン後半、インモビ衝撃の3号は棺桶化。一方衝撃FCMも、うっ苦しい。そしてドイツの準備射撃はあまり効きませんでしたが、森のフランスLMG分隊がバーサークしてしまいました。最終ターンまでに丘の上を全滅させなければ勝てないドイツは、中腹まで来ていた3号をここで丘の上に登らせます。これを迎え撃つフランス戦車。しかし1両は効かず、1両はなんと故障します。なんでフランス戦車は12故障なのに、こんな故障するんだ?フランスは他の防御射撃も効きませんでした。
一方で南の町ではドイツ軍が進撃中に、果樹園内の対戦車砲を発見。お互い「何でここに?」。対戦車砲は4号戦車を倒すのに成功したものの、貴重な隠匿を失い、混戦にされてしまいました。
第6ターン、フランスの砲撃可能な戦車はもはや1両のみ。ここでせめてもう1両復帰しなければ、フランスは負けそう。結果丘の上の故障戦車が壊れてリコールしたものの、衝撃戦車は回復して望みを繋ぎます。
準備射撃では近い方の3号戦車を破壊しましたが、崖の3号は無傷。さらにバーサーカーが突っ込む予定の石造建物にもまた効かず、バーサーカーは空しく討ち死にしたばかりか、白兵戦で相手に8−1指揮官を献上してしまいます。ただウミガメ戦術がようやく効いて、小丘に上がったドイツ軽迫撃砲を倒しました。
そしてドイツの防御射撃。最後の3号戦車もまたFCMを1両炎上させ、残る主力戦車は1対1。緊迫の大詰め、勝つのはどっちだ?南の対戦車砲の白兵戦では、なぜかフランスが一方的に半個分隊を倒しましたが、多分これは勝敗に関係ないでしょう。
6ターン後半、序盤からずっと故障したままだった走行不能のFCMが、ここに来てついに修理成功し、フランス少し有利に。そして注目の3号戦車の射撃は、はずれました。そこであまり期待できないものの、ドイツは少しでも可能性を高めるため、2号戦車を丘のFCMに近付け、歩兵も丘に上がり始めます。
今度はフランスの番。2両の戦車、2つの軽迫撃砲が、崖の3号戦車にバンバン集中射撃。しかし赤砲のフランス戦車は少し分が悪く、迫撃砲も効かず、全く戦果はありませんでした。白兵戦でも南のフランス軍は片づけられ、後は次の準備射撃に賭けるのみ。
第7ターン、さらに撃ち込まれる何発もの砲弾。ついに迫撃砲の一発が車体を捉え、3号戦車は走行不能になって、操作班は脱出。そして彼らも歩兵射撃で混乱しました。これによって脅威の無くなったFCMは向き直り、間近に迫った2号戦車の命運も決します。これでほとんど勝ち目の無くなったドイツは投了しました。

あと今回結果として勝敗に影響しなかった南部ですが、フランスは隠れた対戦車砲の操作班で、最後に空いている建物を取りに行くつもりでした。見つかった対戦車砲は、丁度右上の石造建物に届くように置いていたものです。今回は倒されてしまったので、状況によっては中ほどに残った部隊で、代わりに取りに行くことも考えていました。これがあるのでドイツも終始警戒していて、こちらにフランス以上の戦力を割かざるを得ませんでした。
この戦いを見てもらうと、分散せずに最大戦力を集中し、敵を打ち破るのに効果的な布陣を取る重要性が、良く分かると思います。
フランスは、可能な全戦力を敷き詰めて最大限火力を発揮できる形にし、歩兵は迫撃砲や白兵戦で戦車戦を支援し、敵迫撃砲や対戦車砲を撃って味方戦車を守ることで、ぎりぎり戦いに勝ちました。ドイツは、フランスが丘攻めに全力を注ぐことを見越して、最大限の戦力をあらかじめ丘側に配分しており、序盤の対戦車戦の成功をうまく利用し、丘の戦いの要所を見抜いて押さえ、両翼からフランス戦車に迫って、サドンデス勝ち寸前まで持ち込みました。
このように戦力バランスが取れているところで、お互い戦力を集中し、互いに布陣の粋を極め、それが互角であってこそ、最後は時の運となります。これぞASLの醍醐味というものです。
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