T.M.Revolution
T.M.R. LIVE REVOLUTION '02 -B★E★S★T-   2001.1.16 新潟テルサ





二度目にして一年二ヶ月ぶりの西川貴教。
前回はとにかく後ろの席のお嬢ちゃんが謎なことしてくれたのと、一作たりとも音源を持っていなかったことで、観察する感じの方が強かった。が、今回はアルバムほとんど揃えて新作もベスト盤以外は聴いて、ライヴ映像も見たし去年の記憶もあるし……という状態で見たわけだから、かなり勝手が違う。その違いがまた楽しかったり。

開演前にしっかりと機材チェック。アンプはg.SUNAO氏がマーシャル、b.山田あきのり(だっけ、名前)がハートキーだったような気が。ドラムはSONORというメーカーのもの。2バス。
しかし、俺の席がほぼセンターだったため、西川が定位置から動かない限りドラマーさんの動きはおろか顔もほとんど見えなかったという(苦笑)。
あと、SUNAO氏のギターは恐らく半分以上がストラトだったはず。テレビ出る時も大抵持ってる、謎ペイントのヤツ。ちなみに2シングル1ハムだと思う。他にはたしかベージュのテレキャスも使ってた気が。どっちかって言うと俺はテレキャスの方が好みの音でした。
って、なんで俺はギターばっか見てるんだ? おかしいな、ベーシスト好きなのにな(笑)。あれー?

まずはちょっとびっくりなことに、開演が押した。十五分くらい。終演予定時刻を最初から二十一時と提示してあって、実際に終わったのは二十一時五分。もしかしたらどっかで一曲削ったかもしれないねぇ。でも楽しかったのでよし。

細かいセットリストは避ける(っていうか覚えてない)が、前半はデビューからここまでをまとめた感じ、後半にはちゃんと伝えたい曲やら盛り上げるための必須曲がそろってた気が。シングルナンバーはメドレーにしてある場合が多かった。

西川の衣装は前半白、後半黒の羽根多過ぎのヤツ。白は肩の羽根外してジャケット脱いでベスト脱いで一番下のメッシュだけというところまで。黒はジャケットをとっとと脱いでベストでしばらくやった後、メッシュになったところだったかそれすら脱いだ後だったかでウェストにつけてた羽根まで取ろうとして、失敗(笑)。引っかかったのを頑張って取ろうと、西川の足元にひざまずいて悪戦苦闘するスタッフさんの頭を、早くしろと言わんばかりになでくり回す西川。かわええっちゅーねん(笑)。
サポートメンバーさんも、コンセプトが宇宙船っていうか近未来な感じらしいので、それに合わせてスペーススーツ的な衣装だった。ドラマーさんのが全然分からんかったが、g.さんが白、b.さんが黒で。
アンコールでは皆さんツアーグッズのTシャツで出てくる中、西川はグレーのパーカー(長袖・フード付)の、袖を切ったもの。下は穴開きのジーンズ。可愛かったです。ええ。ナニが可愛いって、思いっきり頭下げてお辞儀した時に、フードがちょこんと後頭部に乗っかるのが(笑)。

前回のツアーでは長〜く取ってあったはずのトークタイムがだいぶ短くなっていた。トークってよりただのMCといった程度。まぁここで頑張ってタイム縮めたっていうのもあるのかな。
でも、笑いのツボだけは外さない(笑)。さすがというかなんというか。
これまで新潟の会場がずっと新潟県民会館だったのに、今回なぜキャパで劣るテルサだったのか? 単に県民会館が改装工事中だからという理由なんだが、テルサに来ると隣(と言っても車で三分くらいかかる)にW杯会場の一つであるビッグスワンがある。しかも、W杯のトロフィー(西川は「ワールドカップのカップ」と言っていた)ツアーがちょうど新潟に来ていることまでちゃんと知っていて、その辺をネタに。
「あのスタジアムはまぁ、ワールドカップが終わったらあの芝生は…イネでしょうね」とか言うしな。なんでだよ(笑)。どうやら西川さん、W杯のことは知っていても、現在はJ2か? にいる新潟アルビレックスのことは知らなかったようで。悪いけどアルビのホームグラウンドだよ、たしか。稲作に費やすことはなかろうて(笑)。
しかもこのネタは、とうとうアンコールのご挨拶まで引きずる始末。いや、楽しかったからいいけど。

本編中から西川、よく走る。ほんとによく走る、頭振る、踊る。あのちっちゃな身体でよくそこまで……と思わず涙が出そうになるほどよく動く。それは今に始まったことではないんだけれども、どう見ても「ちっちゃな身体で精一杯頑張ってる人」に見えるんだよなぁ。
テルサは五列目の横辺りまで花道があるので、そっちまでよく走りに行くし、しまいには上手側で花道の更に奥、客席の通路まで行っちゃうし。おかげで久々にホールライヴで雪崩を見る(笑)。でも歌に影響しない辺り、かなり偉いと思う。

今回、ファンが一斉に踊るお決まりの振りがある曲、特にPVがあるシングルナンバーに多いはずだが、それを西川本人がほとんどやらなかったなぁ。去年見た時は踊りまくってたんだけど。でも、それがなくてもしっかりこっちの目をひきつけてくれる辺り、やはり彼は天性の「真ん中に立つべき人」なんだと思うのね。

アンコールラストの「LIGHT MY FIRE」で、幾度目かになるアコギ弾き語りを披露した西川。
サビの、左手がちょっと忙しい箇所で明らかに間違っていた。3つ繋がるコードの真ん中がどうしても間違っていた。でも歌に影響しない辺り、やはりこの男はどう考えてもお歌唄いさん。
いいんだよ、それで。ギターメインになんかしなくていいんだよ。アナタよりギターが上手い人なんて山のようにいるんだから。でもアナタよりもアナタの曲をかっこよく素晴らしく歌える人は滅多にいないんだから。
結論。西川のギターは、歌をリードする伴奏ではないのだ。うん。

どうもね、西川がギター持った時に多かったように思うんだが、足元のモニタースピーカーの調子が悪かったように思えてならん。つっても、西川はイヤモニもしてるので、違うのかも知れんが。
歌ってる時にそんな素振りは微塵も見せないんだけど、間奏に入ると舞台袖にいるスタッフさんに視線向けて、ちょっと忌々しげに足元を指し示す仕草が見られた。何かしら調子が悪かったのは確かだろう。まぁまだツアー序盤なんで、頑張って調整してねー、と。

恐らく今後の西川が目指したい方向でもあるんだろう、今回はシンセをメインにし過ぎないアレンジになっている曲が多かった。シンセが引っ込んでても十二分に聴ける曲が多いんだから、バンドサウンドに重きを置くならギター歪ませろ。全体のボリューム上げろ。もったいないっちゅーねん。耳鳴りゼロってナニゴトよ(笑)。
ギターの歪みに限らず、音響が良い子過ぎるのが唯一の難点。しかもねぇ、西川のvo.のボリュームまでちっちゃめなんだよ。バッキングががつがつしてる曲でメロディが低音域だと完全に埋もれてるもん。しかも、それでいて客席の声がしっかり聴き取れてしまう。ちょっとおかしいよ。もっと音デカくていいよ。ねぇ。
ただ、もったいなかったのはほんと、この点のみ。あとは合格点です。ええ。楽しかったもの。

アンコールの最後の最後。西川一人が残った時のご挨拶でも、この言葉が出た。その前から出てた。
「これからもよろしくお願いします」
彼にしてみれば丸一年リリースもライヴもできない状態が続いて、しかもこのツアーで第一期T.M.Revolution完結という話をツアー前から出しているわけで。更に更に、バンドアレンジをメインにもってくるという脱シンセ傾向をすでにこのツアーで見せているわけで。
それでも俺は俺だからよろしくってことなのか。それとも、音の傾向が変わっていくけどついてきてねってことなのか。
俺は後から考えます。俺好みの、俺のツボを突いてくれる音になっていくならもちろんよろしくお願いされなくてもついていくし、ツボからズレるならそれなりの対応になるんだろうし。すべてはこのツアーが全部終わった後の第二期T.M.Revolutionの形を見せてもらってからってことで。
ただ、第一期だけでもういいやーって感じにはならない。少なくとも第二期を一度聴いてみて考えようと思う程度には、この一年で西川を好きになったし、今日のライヴで期待も持てたよ。うん。