あとは、あらかた同文につき以下省略・・・
オスカルは、自分では説明のつかない感情で身体が小刻みに震えだすのを感じていた。カードの束を彼の手に乱暴に押し付けると、ボケットに隠していた包みをレジーに向かって投げつけた。
「レジーのばか!!」
レジーはその包みを素早く拾うと、オスカルの片腕をつかみ、静かに言った。
「これは?」
「知らない。知るもんか。」
「オスカル・・・」
レジーは自分の身に起こった幸福が信じられなかった。こんなことがあるなんて。本当に。
「俺に・・・?」
オスカルは、凍りついたように青ざめていたレジーの顔色が、瞬時に薔薇色に輝いていくのを見つめながら、恥ずかしそうに小さく肯いた。
次の瞬間、オスカルは息が出来ないほどに抱きしめられた。オスカルの背中に回されたレジーの手から包みが滑り落ち、オスカルの視線の片隅で捕らえられた。
「レジー・・・」
二人は視線をゆっくりと絡ませた。オスカルの蒼い瞳に世界一幸せな男が映っている。その幸せな男の顔がゆっくりと近づき、彼女の柔らかい薔薇色の唇を捕らえた。甘い甘いくちづけが果てしないほどに繰り返される。くちづけは徐々に熱を帯び、深さを増して行った。息も絶え絶えになった彼女の膝から力が抜けていき、立っている力を奪っていく。
心もとない力で自分に縋る彼女をその逞しい腕でしっかりと支えながら、耳元にそっと囁いた。
「この金の髪のホワイトチョコレートを俺は食べてもいいのだろう?」
「え?」
レジーはオスカルを横向きに軽々と抱きかかえると寝室へ向かった。力の抜けてしまった身体で、自分に何が起きているのか分からないオスカルをそっとベッドに降ろすと、灯りを吹き消した。
「甘党の俺が一番好きなもの、それは・・・お前だよ。」
「あ、・・・」
微かな抵抗の言葉も、唇を塞がれ、夜に飲み込まれていった。僅かな月明かりだけが二人を照らし、部屋の中には衣擦れの音だけが聞こえる、静かな静かな夜だった。
「レジー・・・」