Gargoyle
密典カーニバルツアー No.995 2009.9.18 新潟CLUB JUNK BOX mini
5月以来半年足らずでおいでませ新潟今年2回目。でもたぶんきっと今年の新潟はこれが最後。さすがに98年辺りみたいに、半年間で2ヶ月に1回とかはもう無理。来てくれない。でもねーいい加減おっさんらに鞭打てません。ならば少ない機会にはこっちから出向けばいい。そういうわけで参戦決定。
陣取ったポジションはだいたい前回と同じホール中央辺り。PA前か、でなければ中央がいい。それより前だと音のバランス悪くなる。
と思ってたら、20周年からこっち使い続けているSEで登場した楽器隊が音出した途端に、困った。バスドラが前回より更に衝撃強くなってる…! しかもベースの4弦の音だけすげぇ胸に痛い。精神的な意味ではもちろんなく、胸元直撃してくるのでかなり痛い。これはやばい。と思ったところで既にライヴは始まる体勢なので、頑張って気にしないことにしたらちょっと楽になった。なんなんだろうほんとに。俺のせいかな。そうっぽいな。基本的には音の良い会場なのは間違いない。埋もれるパートが存在しないし、各パートの音がちゃんと耳の真ん中突き抜けて届いてくるから。
あと、今回は何故かスネアの抜けがちょっと前回より抑えめに思えた。5月はもうちょっとスッコーンと気持ちよく抜けてきた気がするんだけど。気のせいかも。今回は空調が5月ほど絶好調な感じしなくて、客席の湿気がけっこうあったから、それも関係する…の、か? まぁいいや。
で、一曲目。今回のツアーは2年振りのフルアルバム発売記念だからアルバムの曲は全部やるだろうけど、さてどれから来るかな、と思って待っていると、アルバム中最も惚れたイントロが登場。アルバムと同じ「死に至る傷」でスタート。
しかし、イントロ途中でステージに駆け込んできた牙様がいきなり。
まだイントロがあと8小節残ってるのに歌い始めてしまい、2文字半で止めた(大笑)。
これを筆頭に、歌詞が全然ぐちゃぐちゃになっていた曲、多数。まぁ俺も歌詞覚えきれませんでしたから人のことは言えませんが、書いた人まで同じ状態な上に歌い出しまでミスるなんてねぇ(苦笑)。
早くも2曲目以降の曲順を完全に忘れているので、以下、順不同セットリスト。
死に至る傷
メメント・モリ
I am Joker
ゼロブラッド
ぶっちぎりクラッシュ!
空へと続く坂
enigma
マグマキッド
Psychological treatment
風の城
ガラポン
HALLELUYAH
極楽フルスロットル
死ぬこととみつけたり
完全な毒を要求する
ジェットタイガー
消滅
花蝶風月
NO GAS
ヂレンマ
神風ギャング団
えーとMC後の5曲目に「風の城」、2度目のMC後に「空へと続く坂」、アルバムでは締めの「ガラポン」が中盤に差し込まれ、よりによって後半に「ジェットタイガー」だの「ぶっちぎりクラッシュ!」だの「メメント・モリ」だのが入り、本編締めがまさかそこで来たらかっこよすぎじゃねーかこの野郎! な「enigma」。上記「消滅」以降はアンコールで、2+2+1の3回。アンコール分だけはたぶんこれで曲順合っている気がする。
……おなかいっぱいにも程があります。相変わらず。嬉しいけど大変なのはステージ上だけじゃないんだよ(苦笑)。
そしてアルバム聴いた感じより圧倒的に楽しかった「マグマキッド」がどの辺だったかすら既に記憶がなく、アンコールの選曲のマニアックさに「また『消滅』かよ!(5月もやった)」とか「なんで新潟は『ヂレンマ』率がこんなに高いんだー!?(むしろ俺がこれに当たらなかったライヴの方が少ない)」とか叫んだりしてるうちにライヴ終わった……なんかもうね、出し切ったよ色々と(笑)。
そんな記憶飛びまくり(…いつもそうだな)のライヴの、覚えてる断片諸々、参ります。
とりあえず順番無視で本編後半の「ジェットタイガー」。
のはずなのに、勝治が「ぶっちぎりクラッシュ!(推定)」を叩き始めた(大笑)。
弦二人が「えーっ!?」とドラムを振り向きつつも2小節半くらいやってみたけど、結局ストップ。謙太郎ちゃんが超笑顔で勝治を指差してブーイング(笑)。しかし問答無用で今度はちゃんと「ジェットタイガー」をやり直し、即座にテンション回復どころかむしろアップ。これがあるからガーゴイルはやめられん。
……いや、べつに毎回こういう止まっちゃうミスを期待してるわけじゃないよ? でもけっこう当たるんだよねー(笑)。そしてこの種のミス直後が盛り上がらなかったことがない。
さて、話をスタート辺りに戻して、衣装。もちろん『黒密典』仕様の新衣装で登場したわけだが、牙様。今回最も看板的に使用されている集合ショットでは美しく開いていた赤模様入りの黒マントが。
前閉じたまま出てきたら、奇抜なレインコートみたいだよう(落涙)。
あれは前開けたまま翻す方が良い。絶対良い。
ていうか前を留めておくボタンかスナップかなんかが付いていることに、生で見て初めて気づいたもん。あれは留めなくていいよ…。
2曲目か3曲目の途中でマントを脱ぎ、本編はそのままの状態で進行。他のメンバーは脱ぎようがないのか脱ぐ気がないのか、最初から本編最後までずーっと変わらず。
あと、今回は弦二人が長袖で腹も見せないタイプなので、二の腕とか腹周りとかの、場合によっては気になっちゃうところが隠れてて問答無用でかっこよい。まぁアンコールでTシャツでいるの見ても、まだツアー3本目でしかないからそんなに肥えてなくて(笑)大丈夫だったけどね。
そして5月に気になった敏兄さんの両手首のリストバンドは今回黒だったので、袖口の黒模様に隠れて本編中は本気で気づかんかった。でもやっぱり両手首なんだよなぁ。アンコールでは謙太郎ちゃんも右だけしてたような気が。こちらも黒。
謙太郎ちゃんの衣装の腰から下、後ろ半分だけついてる紫の裾は、写真で見たら縫い目がちょっと引き攣れてるようにも見えて残念ぽいなーと思ってたら、違った。サテンかなと思ってたんだけど、よく見たら柔らかすぎないオーガンジーかなんかだ、あれ。だから軽くて、お立ち台で風を受けるとひらひらしてて、ちゃんと綺麗だった。他の写真で確認したら、袖とかも同じオーガンジー系の素材なんだね。でも涼しくはなさそうだ…。
ついでに敏兄さんの赤上着の裾のひらひらは、がっと肩幅以上に足開いた時に、前後とも足の間に3本入るのがベターと見た。(←だから何だ)
4曲終わったところで1回目のMC。ここから既に牙様がかみまくり。「今回はアルバム『黒密典』発売記念(ここでかんだ)のツアーで、まぁ新しいの中心で。みんなもう聴いたという体で言うけど。まだ聴いてない人は適当に合わせて。『ああ、あの曲か!』くらいのね」とか言ってた(笑)。
『黒密典』はライヴの見本とかテキスト的な言い方してた。
確かに、聴いた瞬間から脳内でライヴが展開されるアルバムだった。ただ、俺には色々と心配にもなるアルバムだったんだ。
難易度がかなり高い。メンバーの集中力切れたらもうそこでライヴ止まりかねない感じの、ほんとに難しい曲ばっかり。細かいテクニックはここまで来て激変するはずもないし、してないんだが、全体の印象がこれまでとは明らかに違う。
例えば今までの曲だったら、誰か一人ミスしてもあとの三人がしっかり演奏してれば、ミスった一人もすぐ立て直せる。言わば個人プレイの集合体で、一人崩れても他が引きずられる心配がない感じの。
それが今作は、誰か一人ミスすると、場合によっては総崩れにもなりかねない曲があっちにもこっちにも。テクニックの他に、その日その日の集中力やノリのかみ合い方まで要求される感じ。個人プレイがそれぞれ完結してればいいというわけではなく、全部が合わさって初めて曲として成立するというか。
そういう曲が集まってしまっててねぇ…初めてまともにプリプロしたという話が雑誌に出てたけど、たったそれだけの違いでこんだけ完成度の高いものを作ってしまうとは、恐ろしいことこの上ないな。
…プリプロしなくてもあんだけテンションの高い作品を作り続けてきたことも驚異だけどな。
あと、今作だけで非常に、一つの作品として完成されたイメージになるので、以前の曲とどう絡めるかが難しそうだな、とも思っていた。
しかし、そんな心配はほとんど無用だった。さすがつるみ始めてン10年の人たちは違うねー(喜)。
ただ、あくまでも個人的感想として、「ガラポン」を中盤にもってくるのはちょっと…俺としては終盤アタマの起爆剤ポジション希望。あるいはアンコール一発目とか。
つーかこの曲、差し込む場所に困る。他の曲と絡めにくい。これでスタートはもちろんなんか違うだろうし、これが本編最後ならともかくアンコールの一番最後の大トリなんて言われると辛い。かなり辛い。歌詞にある通りのやり逃げになるよー(笑)。だからと言って中盤なのもなんか…うん、色々難しい曲だった。アルバムで聴いてる分には単純に楽しめるんだけど。
他にも、アルバム聴いた時点では「ゼロブラッド」も絡めにくそうな印象だったが、こちらは「ガラポン」ほどの難しさは感じなかった。
ま、その辺はまだツアー3本目、序盤もいいとこですから、今後あちこちに差し込んで試してみるんでしょう、きっと。だから逆に言ったら、どアタマとかオーラスとかもあり得なくはないかもしれないという……怖。楽しみだけど怖い(笑)。
1回目のMCは牙様のみのお話で、そこから「風の城」。サビのコーラスが、謙太郎ちゃんが低音、牙様のメロディーを挟んで高音が勝治と敏兄さん。謙太郎ちゃんの低音がけっこうよく響いてきて、基本あんまり通りのよくない声質なのに(というか敏兄さんと勝治が通り良すぎる上に、牙様が通りの良し悪しで語れない声質なのに問答無用でデカいので謙太郎ちゃんの声は埋もれがちになる)、低音だといいじゃーん、と思って見ていた。
しかし、敏兄さんが途中でコーラスを諦めた。手元が忙しくなる前にマイクスタンドから身を引いたのをワタシは見た。勝治いるからいいけど、この曲のサビはコーラスがないと淋しいので、できれば歌ってーと思った。高音がないと特に淋しいよ、きっと。低音がないよりも淋しいよ。頑張ってくれー。まだまだ新曲が手に馴染んでないよね。全員そうだろうけど。
更に2回目のMCを挟んだ後の「空へと続く坂」でも敏兄さんが。Bメロのコーラス入れるタイミングを外してごまかしていたのを、ワタシは見た。確かに見た。コーラスにかまけて手元が狂っても困るから、2音だけの短いコーラスなんて外したって構わないんだけど、だがしかし。
遅れてマイクスタンドに顔近づけておきながら「あ、しまった」って顔に書くのはやめてくれ(笑)。
で、間に挟んだ2回目のMC。牙様が他のメンバーに振り始めたらなかなか収拾のつかない大騒ぎに発展。順不同ながら覚えてることは書いておく。
春のツアーでも出た「シルバーメタル」発言。敏兄さんが「そのうちバリアフリーのライヴハウスしか出られんようになる! エレベーター必須で。あと、若いスタッフが5人くらいいて、常に機材運ぶの手伝ってくれるとか」……毎回苦労してらっしゃるといいますからねぇ。わかるけど。わかるけどさぁ。
と思ってたら牙様が後ろ振り向いて「勝治はもうちょっとね、ドラムセットをちっちゃく」
そのドラムセット、よく見たらなんと。
バスドラが3発。
詳しい方によると、径の小さい下手側の3発目はバラードなどで使っているそう。そりゃーねぇ…そんなんまであったら搬入出も大変だよ。わかるよ、エレベーター必須にもなるよ! とりあえず今の新潟JUNKはエレベーターあるから、引き続き来年以降もお願いします。
牙様が敏兄さんだけを見つめながら。
「さっき楽屋で話してたけど、来年? 再来年かな、あのー僕と敏くんが知り合ってから」
この辺まで敏兄さんは、牙様に完全に背中を向けてチューニング中。途中一度振り向いたものの「その話なんかどうでもいい」と言わんばかりに視線を戻していた。しかしそんな仕打ちにもめげない牙様が。
「再来年で30年になる」
この牙様の発言に客席が沸くと、ようやくマイクに向き直り横目で牙様を見た敏兄さんが、苦笑いしながら。
「なに婚式?」
客席大騒ぎ(大笑)。ちなみに後で調べたら真珠婚式だそうですよー30年は。
この後、勝治と謙太郎ちゃんと知り合った時の話にも及んだものの、二人は20年以上25年未満ということで牙様曰く「あ、じゃあ特になんにもないね」。記念的な意味がない、ということらしい。
20年は磁器婚式でもう過ぎてて、25年が銀婚式だそうだから、年少組はとりあえず銀婚式目標でお願いします(笑)。
つぅかそもそも、誰も敏兄さんの言った「なに婚式」という例えに疑問を抱かない時点でおかしいから。
野郎集団でこれに疑問が出ない時点で既におかしいから。誰か気づけよ(笑)。
しかも、これは今に始まった話じゃないが、牙様は話す時に敏兄さんの方を向いてることが多い。客席に向けて話してる内容でも敏兄さんに視線送ってたり、身体ごと下手に向いていたりする。特に、なにか困った時なんてモロに敏兄さんを見てる。
その牙様の視線攻撃に加えて、それを受ける敏兄さんに「なに婚式?」とか言われた日にゃあ、客席が変に沸きもします(笑)。
真珠婚式まで頑張れ年長組! 元気でいれば金婚式も夢じゃないぞ(大笑)!
と思ったけど、そう言えば往年、36歳当時の敏兄さんは「今の倍は生きられんと思う」という爆弾を新潟で落としてくれてたから、えーと…36の倍は72。66歳でやっと金婚式。そこまではまだ生きてるかもしれないが……ダイヤモンド婚式(60年説と75年説あり)はさすがに無理か!?
いずれにしても、もしこれだけハードな曲が演奏できなくなる日が来ても、仲良くつるんでてほしいもんです。ここまできて別れたらそれこそ熟年離婚だし。(←待てー)
ところで敏兄さんはチューニングが終わるとタオルで汗を拭くんだけど、なんでタオルの裏側を使うんだろう?
今日使ってたのは物販にて購入可能なピンクの豹柄マフラータオルですけども。謙太郎ちゃんもそうですけども。
敏兄さんは何故か、表がピンクで裏が白のそのタオルの、裏側で汗を拭く。表が客に見えるように広げて使ってみせて無言の宣伝してるわけでもなく、ぎゅっと握って使ってるのに、顔に当たるのは裏側。表の方が気持ちいいだろうに、何故。たまたまかなぁ。
えーと、22年間けんかしたことがないという話。牙様がそう言って敏兄さんを見ると、敏兄さんは微妙な表情で「いやぁ……どうかなぁ〜」。牙様は大慌てで「え、僕が気づいてないだけ!? あったの?」と謙太郎ちゃんを振り向くも、謙太郎ちゃんも最初は視線をそらしていたり(笑)。最終的にはまぁほぼなかったというところに落ち着き、牙様は安堵の溜息とともに「あー、今きつかった。心がきつかった」と。
更に牙様は「22年もやってて、残念なことに誰からも『バンドやれ』と言われたことがない」と。残念なのか、そうか(笑)。
最初に話を振られた敏兄さん、相変わらず年齢自虐ネタが絶えません。お気に入りらしい「棺桶に片足突っ込んでる」発言も出た上、「1000本までは頑張るけど、1001本目なんか知らんもんねー」なんて言葉まで飛び出す始末。
牙様や勝治が「1000本目は1回しかないけど、今日の995本目も今日しかないから、とりあえず今日も頑張って最後までいこー」的に上手に前向きな方向へ話を持っていくのに対し、敏兄さんが言うと本気で投げ出す気満々に聞こえる辺りが…さすが帝王(苦笑)。帝王っていうかもうこの時の笑顔は魔王だよ!(←勝手にグレードアップ認定)
話は勝治に及び、敏兄さんが何故かここで妙にテンションが上がる。
「勝治は寝るのめっちゃ早い! みんなで呑んでて、3秒前まで話してたのに、気がつくともう『ンご〜(いびきかいてる)』って!」
しかし笑えるのはここまでだった。
「しかも途中で無呼吸になる!」
それ危ないから! とツッコミ入れる客席に、「なんかサザ●さんのエンディングみたいになってんねん!」しかも実演付き。笑えるけど笑えない…!
で、敏兄さんから「若おっさん」呼ばわりで振られた最年少謙太郎ちゃん37歳。
「どうも! 若おっさんです!」……自称するか、そうか(笑)。
年長組を指して「こんな44歳他に知らない」という話になると、敏兄さんが「気持ちはいつも38歳くらい」。客席から「微妙〜」と苦笑いされても変更はせず、牙様に「勝治とタメくらい?」と確認されてきっぱりうなずく44歳。潔いのかとぼけてんのか分かりません(笑)。
更に敏兄さんが言った勝治の無呼吸を「過呼吸」と言い間違える(笑)。勝治を称して「起きてる間はドコドコドコバチバチバチ〜(ドラムのこと)ってやってて、寝てる間は(サ●エさん実演)言うてる」と、こちらも●ザエさん実演付き(笑)。
そんなネタで笑われ尽くした勝治は「でも寝てる間は無呼吸なっても、毎日ちゃんと起きてるやん。起きてる間は楽しいよ!」と、勝治なりに上手にまとめていったのに、最後がやはり締まりきらず。
…いいこと言っても笑いを取れるし、奇声を発するだけでも笑いが取れる男。
駆け出しのお笑い芸人なんかよりよっぽど天然で笑えるって、この人(笑)。
しかし、謙太郎ちゃんが年長組を笑っていた話の直後に、すごく素晴らしいことを言った。
一字一句までは覚えてないが、こんなにすごいメンバーに恵まれて幸せだ、と。
このバンド見てるとよく思います。年少組はどんだけ年長組が好きなのかと。そして上記のような発言があると、ほんとに好きなんだな、と。
年少組、それも10代のうちから評価の高かった勝治は特に、ガーゴイルを踏み台にしてのし上がっていこうと思えばいけたんじゃなかろうか。謙太郎ちゃんだってそういう道を選ぶチャンスがあったかもしれん。
でもこの二人、どんなに忙しくても必ずガーゴイルに戻ってくるんだよね。勝治なんて近年、ザ・クロマニヨンズとツアーやらレコーディングやらがかぶることも多くて、心身ともに切り換えも大変だろうに、それでもガーゴイルは譲らない削らない手を抜かない。そして全力で楽しげ。
それだけガーゴイルというバンドを彼らが大事にしてて、なおかつそこには必ず年長組がいるから……だから、どんだけ好きなのかと。ほんとに。人間的にもある程度以上好きじゃないと、続かないでしょ。
たぶん年長組も、こきおろしたりツッコミまくったりしつつも(笑)年少組をちゃんと好きなんだろうと思う。
年長組はほんとに良い子を拾ったな、約20年前に、しかも二人も。
……二人とも時々(特に勝治はちょっとどころじゃなく)天然さんなところが玉に瑕だが(笑)。
さて、残り1ヶ月を切った1000本目の宣伝もきっちりと。
牙様が「新潟からも新幹線とかバスとかなんか色々あると思うから来て」などと言った直後、敏兄さんが。
「今日から歩き出せ。そしたら10月には着く」
……真顔だよ、本気だよこの人…! 金のない奴でもそれなら行けると言わんばかり…!
更に「沿道で1人ずつ拾ってな。『チッタ行きまーす』って(観光ツアーガイドの如く小旗掲げるポーズで)……宗教団体みたい(笑)」
牙様が「ブログとかで毎日報告しながらね」と言うと「『チッタへの道』な」
タイトルまで決定されちゃあやらないわけには……! やらないけど(笑)。
話の流れにまったく関係ないけど、MC中に謙太郎ちゃんが1回だけだけど本気で咳してて。単に宙を舞っている埃のせいとかならいいんだけど、色んなもん流行ってるし、変なウイルス拾うなよーと思った。
更に関係ないけれども、どっかのMC中、敏兄さんが衣装の上から左腿の辺りをかいかいしてて、妙に可愛かった。
あの素材でワイドパンツはねぇ…ある意味、革パンよりやりにくそうだもの。そりゃ汗っかきな敏兄さんのこと、かゆくもなるでしょう。お肌のお手入れはお顔以外も大事だよー(笑)。
あ、44歳ネタがまだあった。
牙様が「僕ね、ほら、見て。わかる? 衣装の上着がめっちゃ締まってるの」と言って、マントを脱いだ後の派手上着の胸の辺りを引っ張って、ぱつんって放してみる。裏地が伸縮素材ですか? ってくらい、伸びるんだけど戻りも良い。ほんとにぱつんって音したし。
「こんなの着て動き回ってる44歳いない」とか言ってましたけども。ええ、そりゃいないでしょう。
いないっていうかそれ以前にまず売ってないから、そういうの(笑)。
あと、ピックとプリクラの話。
がちゃのカプセルの中に弦二人のピックを仕込んでみたり、前日の昼間にみんなで撮ったプリクラを仕込んであるものもある、という話だったんだけど、それを聞いた客席から悲鳴に近いどよめきが。みんな景品の番号札以外入ってるなんて思わないから、番号札だけ出してあとは気づかずにカプセル入れに放っちゃってるんだよ(笑)。ちなみに俺は両方とも当たりませんでしたが。
で、問題はそのプリクラ。
謙太郎ちゃんが「見本に出てるのとおんなじポーズで撮ったりしてるんですよ。敏さんと二人でハート作ったりとか!」と嬉しげにこれまた実演。謙太郎ちゃんが上手で喋りながら片手でハート半分出したら、下手にいながら敏兄さんが反対の手で同じくハート半分作ってみせて。…なんでそれが綺麗におんなじ高さになるかな、この二人(笑)。
行ったゲーセンに女性同伴じゃないとって書いてあって、5分くらいプリクラの機械の前でじっとしてた、と告白したのは牙様。敏兄さん曰く「一応、(女性スタッフさん)おったんやけどな」。でも入るに入れなかったらしい。牙様が「あそこには超えられない壁がある!」と。そんなに大仰なもんでもなかろうに(笑)。結局、外にあった寂れた感じのプリクラの機械で「もうこれでいい」と撮影したそうな。しかもみんな撮り慣れてないから、カウントダウンされるとものすごく焦っていたらしい(笑)。
そんな大騒ぎのトークを挟みつつ「空へと続く坂」から後半戦へなだれこみ。
と言いつつ、後半ではなかったような気もする「完全な毒を要求する」の話。
俺、この曲の楽器隊全部そろって音出す最初の拍は珍しく頭振りにいってることが多くて、肝心のフロント3人同時ハイキックを生で見たことがなかったのだよ。
やっと見たよ! しかもその後も敏兄さん一人が何度も左足を蹴り上げていた。調子良さそうだなー前日から新潟にいるから絶対呑んでたはずなのに(笑)。…いや、違うか。呑んで上機嫌になってたのか!(←可能性大)
「死ぬこととみつけたり」は、5月に敏兄さんにふられた経験を踏まえてか(んなことは恐らくないだろうが)、今日は牙様が謙太郎ちゃんに接近して、謙太郎ちゃんはこういう接近から滅多なことでは逃げない良い子なので、二人で一緒に「死ぬこととみつけたり!」とがっつり叫んでいた。
「Psychological treatment」でちょっとひっかかる。俺が。謙太郎ちゃんのコーラスがね。サビで「サイコロジカルー トリートメンッ」て、「ル」の後で伸ばす形でレコーディングしてあって、敏兄さんは生でもその通りに歌うんだけど(見えないけど勝治も恐らく)、謙太郎ちゃん一人だけ明らかに伸ばし忘れてる。というか「treatment」の頭の「ト」が早いというべきか。細かいことではあるが、その部分毎回一人だけ口が「ト」の形になるのが早いので微妙にわかってしまう。ちょっと気になる。「ときめき」の「もっともっともっとー!」の連発とかと違うからさ(笑)。
これも含めて、コーラス組ももちろん歌詞が相当…! かなり色々やばかった。「風の城」のサビの「しなくていい」と「しなくてもいい」の「も」なんて、全員間違っててもおかしくない感じで、ほぼ毎回「も」を入れる人と入れない人に分かれる(笑)。頑張ってくれー。
前述の通り勝治がさくっと間違えた後の「ぶっちぎりクラッシュ!」は、実は俺がアルバム中最も心配した曲。楽器隊の手元足元がけっこう忙しそうな上に、コーラスが細かい歌詞も担当するのでこれまた忙しい。こんなん後半は無理、誰か酸欠起こすよ! と思っていたのに、まさかの後半に来てしまった。まぁこれについては意外と心配なかったから良かったんだが。
なんか最初の辺り、コーラスの「全開バリバリ」が入ってるのに牙様が歌ってなかった気が。俺が見逃し&聴き逃しただけかなぁ…でも敏兄さんはこの序盤部分、ステージ中央に視線送りながらコーラスとってた。「なめんなよ」の前辺りから本格的にテンションアップして、後は問題なく。
しかし、歌詞がかなり忙しいこの「ぶっちぎりクラッシュ!」や「enigma」辺りでは、みんなほとんど歌詞を間違わないんだよ(大笑)。なのにバラードとかで間違うから目立つ…。や、アレだな、きっと。慣れてくればそれなりに…ね。うん。淡く期待しておこう(苦笑)。
あ、でもね、ハードナンバーも歌い間違えてる可能性は大だよ? 俺が覚えきってないから気づかないだけっつー話もあるから(ごめんなさい)。ただ、ハードナンバーは勢いよく歌っててくれればそんなにバレないのに対して、バラードだとほんとに一字一句聴き取れるから、余計にやばいという。頑張れ。ステージの人たちもだけど、俺もな!
これは前半で見た光景のような気がするけれども、どれかの曲でギターソロ前に。
牙様がドラムセット前へ下がると同時に弦二人が顔を見合わせて「出る?」「行っとく?」的にアイコンタクトというよりは完全に顔で会話して(笑)、二人同時に中央へ。仲良しさんめー(笑)。
フロント三人は既に何度も、暗幕用に天井近くに張ってあるワイヤーにつかまって客席へ身を乗り出していたんだが、本編ラストの「enigma」では牙様が更にグレードアップ。客席に背を向けた状態でお立ち台に上がり、そこからワイヤーつかんで背中を反らしたまま歌う。つまり、うっかり手を放したりバランスを崩したりしたら客席最前へダイヴする形になるような。反り過ぎです。かなり反ってました。あの体勢で歌うのは相当、腹筋背筋いるよ。見た目の割に意外と筋力あるよ、牙様。気合いとかテンションだけであの体勢は保てない。
1000本の話で「ペアチケットだから1枚で二人入れます」って言った時に客席から飛んだ「太っ腹!」の声に、自分の腹を見下ろして自虐ネタに走ったりしてるのに(笑)。
しかも、反っても頭のお飾り帽子が落ちないんだよねぇ、あの人。どうやって留めてるんだろう。
「enigma」のおかげで超ハイテンションで本編終了。
と思ったら、ドラムセットから出てきた勝治が。
ドラムセットと敏兄さんのアンペグのスピーカーの間を抜けられずに苦戦(大笑)。
これだもの、「ドラムセットちっちゃくね」って言われるわけだよ。下手側、つまり敏兄さんのスピーカーに一番近いとこにあるその3発目の径の小さいバスドラ一つ置かなければ、まだ抜けられるだろうに。
しかもこの後、アンコールで出入りする度に苦戦(笑)。
アンコールは全員Tシャツで登場。勝治がオレンジのぱんだ、敏兄さんが黒ぱんだ、謙太郎ちゃんががちゃで出る赤ガーゴイル。牙様は勝治と同じぱんだで登場。下は牙様が豹柄、謙太郎ちゃんが迷彩の半パン。あとの二人は穿き替えず。しかし敏兄さんはワイドパンツなのでちょっと見た目に違和感。
まず出てきた牙様が、客の「牙ー!」の声に良い子のお返事(笑)。違うだろ、なんか違うだろ! まぁ楽しげなので良し。あ、この時は豹柄のもふもふしたキャップにゴーグルのっけてた。
で、他のメンバーが出てくる前に。「みんなに知らせなきゃ(だか「言っておかなきゃ」だかそんな感じ)いけないことがある」と重大げな口調で場を鎮めておいて。
「Tシャツ売ってます」
……待てやこら(笑)。
更に、最後に出てきた謙太郎ちゃんが、この会場は下手出入りなので客に見えるよう右肩に、これも売ってるトートバッグを提げてご登場。しかも微妙にモデル歩きっぽいんだけど、牙様に「あれ、謙太郎くん、なんかオシャレなの持ってるねぇ」とわざとらしく振られると、下手から上手へ移動するコースを変更してステージフロントへ出るのに何故か、身体は上手向きのまま顔だけ客席へ向けて歩いてくる。
つまり、実際には横歩きか! しかもそれでもモデル歩き風(笑)。
そしてそのバッグに手を突っ込み、「お、なんか出しますかー?」との牙様の振りに、3年振りぐらいで作ったというカレンダーを出して。
「かるぇんどぅあ〜!」
…何語ですか(大笑)。
しかも顔がわざわざかっこつけてるし。余計笑える……。実際、本編MCの「なに婚式?」以降の話題&勝治劇場と合わせて、この辺りで俺の腹筋は既に限界近かった(笑)。
で、楽器隊の用意が整うと、牙様が。「あれ、何の曲やるんだっけ?」と困る。おいおい大丈夫か、と思っていると。
「ま、始めりゃなんとかなるもんです!」
まぢで? 大丈夫? ほんとに?
と脳内で単語を並べる暇もなく、容赦なくスタートしたのがよりによって「消滅」。アタマ振って拳上げて叫ぶ以外なにもできん!
そして、春ツアーでもあちこちでやっていたらしいのでお気に入りっぽいけど、なんかアンコールに持ってくるってのがちょっと意外だった「花蝶風月」。でも最初のAメロ終わる頃には意外さも吹っ飛ばされた。かなり気持ちよいよ、これ。
2度目のアンコールでも牙様が1回目と同じ口調でTシャツの宣伝しようとして、「あ、さっき言ったか」。うん、言った。この時は帽子どっちだったかな…3度目のアンコールではベースボールキャップに替えてた気がするんだけど、この時のはどっちだったか忘れた。
で、久々にきちゃいましたの「NO GAS」。ギターソロはお馴染み後頭部で。直後に敏兄さんも。
更にたたみかけで「ヂレンマ」。ステージ上も止まれないんだろうがこっちも最早止まれません。
と思っていたら、「ヂレンマ」ギターソロ後半で、お立ち台にいた謙太郎ちゃんが、手元一直線で全然自分を見てくれない敏兄さんに懸命に視線を送った後(軽く2小節以上は振り向きっ放しだった気がするぞ)、歌が入る前に二人で楽器交換。「ヂレンマ」では見たことないわー、うおー、楽しげだー。と思っていたら、ベースを手にステージフロント中央で牙様に並んだ謙太郎ちゃんの右肩を、ちょっと歌った辺りで牙様がつかんだ。え? と振り向いた謙太郎ちゃんに、牙様は視線でベースを要求し、そのままげっと。
しょうがないな〜と顔に書いてマイクを受け取った謙太郎ちゃんは、お立ち台から天井付近のワイヤーつかんで身を乗り出して叫んでいたものの飽き足らず、客席へGO! 客席ど真ん中まで進んで、その場で周囲を囲んだ(というか謙太郎ちゃんのために慌ててスペース空けた)客を煽り、楽しげに帰っていった。
これが終わったところで牙様が何か喋ろうとしているのを尻目に、あとの3人はとっとと退場。勝治も挟まりながらも(笑)笑顔で手を振ってあっさりと。何か言いたかったらしい牙様は「あー、ま、いっか!」と強引に締めて退場(笑)。
しかし客席からはまたもアンコール。でも途中で「もう一回」に切り替わり、登場したメンバーは楽器隊のみ。ちょっと音を出してみた後、敏兄さんが両拳を突き上げながら生声で(ほんっと通り良いよ、この人の声は)「行くぞー!」と叫んで、牙様登場前にイントロスタートしたのが「神風ギャング団」。しかしイントロの台詞があるので牙様がすぐに駆け込んできて、あとは完璧ノンストップ。
この曲のオーラスで、敏兄さんがモニターに乗って客席を見渡しながらまず1弦、続いて2弦までぶったぎるも、最後の音をなんとなく微妙に出しそびれた感じになった。そこはかっこよく締めようよ(笑)。
ところで「NO GAS」だったか「ヂレンマ」だったか、途中で敏兄さんが完璧にベースから手を放して客と一緒に両手を突き上げる光景があった。片手はやることあるけど両手だと珍しい。謙太郎ちゃんと比べてあんまりそういうことしない人だと思ってたから(つかベースまで両手放すとまったく音程なくなっちゃうしな)、ちょっと血が沸いた。
そしてもう一つアンコールで気づいたこと。敏兄さん、新曲を含むこの10年以内くらいの曲はコーラス以外ほとんど口動かないのに、それより前、特に屍忌蛇時代の曲なんかだと、ほとんど全部歌ってる。ずーっと口が動いてる。しかも間違わない(笑)。昔の曲の方が難解な単語も多いのに。
むしろ屍忌蛇時代の曲は謙太郎ちゃんがちょっと必死になる。謙太郎ちゃんが弾いてる年数と回数の方が、もうずっと長いし多いのに、未だに。というか刷り込みに近いのかも知れんな。彼にとってはガーゴイル加入当初、頑張らないと弾けない曲もあったかもしれんし。新曲とは別の意味で、今でもちょっと緊張するというか別種の気合いが入るのかも。と思った。
そんな本日の機材は、勝治が前述の通り3バスセットで、タムも4つくらい見えた気が。シンバルも多いよねー。
敏兄さんはワインレッドの1本で、アンプはアンペグ。「風の城」は指弾き、「空へと続く坂」が基本ピックで、イントロ前半とアウトロ後半だけが指。
そういえば今回もしかしてスラップ曲がなかった気が。と思って後から聴き直してみたら、そもそも『黒密典』にスラップ曲がないんだよ。好きなんだけどなーあのぶっといスラップ。まぁだからといって、スラップ見たいがためにライヴの流れをぶった切るような選曲と曲順を要求したいとかは、もちろん言わない。
謙太郎ちゃんのギターが、俺には初当たりの鉄板V。スタート直前、SEが終わらないうちにちょっと出しただけの音がすっげぇ良くてびっくりした。こーれーはー使うよな、使わなきゃ嘘だ。いいよあのギターは。アンプはクレイト。
今回は謙太郎ちゃんがすげぇかっこいいと思った。音間違えてつっかえたり速弾きでテンポ遅れたりして最後は勢いでごまかす感じのアワアワしてるソロが、過去のライヴ映像でも生でもけっこうあったんだけど、今日はそれがなかったよ! そういう成長とか進化が見える人は、長く見ていて飽きないよ。かっこよかったです。
んなわけで本日も楽しかったぜー。
と思ったら全部終わった後に一人残った牙様が。
「みんなが幸せだったり楽しかったりすればそれで正解だと思う。今日も大正解!」
ありがとうございましたーっ!(発音は「あざーっしたーっ」な感じで)
と、超笑顔で体育会系のご挨拶したくなる気分で終了。正解っていうか幸せっていうか満足!
でもこんなにアラの目立つガーゴイルも珍しい。次回俺が行くまでには新曲が育って馴染んで…るよな?
いや、大丈夫なはずだきっとそうに違いない(笑)!
むしろ俺ももっと慣れておかねばっつーわけで、歌詞覚えまーす(笑)。