| 「疲れが出たのね。これでは長期の看護は無理ね」
 事情を話すと、病院の看護婦さんはこう言ってくれたそうです。
 
 私と母が、祖母に付き添えない間、
 病院のほうでは、やはり祖母がベッドの柵を抜いたりして降りてしまう、
 そしてちょっと目を離した隙に廊下へ出て転倒してしまう、
 といったことで、致し方なく手首だけタオルで軽い拘束をかけざるを
 得なかったことを率直な謝罪がありました。
 
 それまでは、週一度から二度にデイケアを増やす、という
 プランの変更を予定していましたが、
 それと週一回の訪問看護、また月二回の往診では、
 支えきれるものではなくなってきていました。
 さすがに、私も発作の後は数日からだが思うようになりません。
 おりしも、主治医からは、
 「君が何とか介護から手を引く方法がないものか」と
 お話がありましたが、ケア・マネさんのその時持っているプラン上に、
 それは反映されませんでした。
 
 病院側との相談の末、
 その病院の名誉院長が施設長をつとめる老人保健施設を利用してみては?
 という話になりました。
 やはり、ショートを利用して、
 身体を休めることがその時はとても必要でした。
 「分眠」という言葉を、介護家族同士での掲示板の会話で見ますが、
 要は、24時間、そこに居る事、
 備えていることが重要になってくるのが在宅老人介護です。
 ようは一般の方々のように、6時間とか8時間とか、
 まとめて眠れないわけです。ですから、
 眠れるときに眠るという、不規則な生活スタイルが出来るのです。
 それを指して「分眠」と仰っているのかと思いますが、
 それはトータルした時間が
 一日24時間のうち8時間確保出来ていたとしても、
 とても疲れの取れる眠りにはなりません。
 
 それが、私の場合は発作として出てしまい、
 母は貧血という形で出てしまっていたわけです。
 心身ともに消耗しきってしまい、
 とにかく、まとめて寝る時間が欲しかった。これに尽きます。
 
 
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