Day 1(Saturday, Oct. 2nd, 2004)

"Take sleep firmly, if you move to the east!"とティーチャーは言った!

- NYC 第1日目 -

5時起床で電車を乗り継ぎ成田空港第2ターミナル駅へ到着したのは9時半過ぎだった。遅くとも出発2時間前には来てねって予約の際に言われていたのだがセーフ。ここまで殆どノン・ストップ状態だったけど、TUMI T3 TURN Transporter一つに荷物を纏めたので、全行程を通じて移動や出入国検査等にはラクチンで正解だった*1。ところで、出発ロビーへ登るエスカレータで背後から警察官に「列車のなかでバッグが盗まれたので調べさせて欲しい」と職質されてしまったのだが、TUMIである事しか分からずに探しているようで、なんとも心もとない捜査だった。

5月中旬にJMB(出張の時にメンバー登録をしたのでなるべく日本航空(JAL)を使いマイル*2を貯めているんだけど、まんまと営業戦略にノッカテイルなんて突っ込みはナシだ)で予約した際に座席位置まで確定したものの、10月以降の運賃は8月にならないと決まらないって言われたんだが(最終的にFixしたのは8月9日だった)、結局前年同月比約1万円高(イラクとロシアの生産量減による原油価格高騰のバカヤロ〜)の往復81,000円で、これに米国内乗継便分($164.10)や税金なんかを含めた合計96,990円を一括で支払うのと引替えに宅配されたチケットを持ってチェック・インした。機内持込み手荷物だけの僕は、Iカウンターの裏側にある専用の9-14番が使えたので待ち時間なくあっさり完了。


この時点で(既に)少し疲れたので、荷物チェックを兼ねてStarbucks(スタバ)で休憩。アイス・コーヒー(S)をオーダするが、街中と同じ260円と割高でなかったことに何故かホットした。その後、そんなに厳しくなかったボディ・チェックと手荷物検査を経て、ゲートの近くでTVを観ていたら、イチローが大リーグ記録に並ぶ瞬間に遭遇した。米国滞在中に記録を更新するに違いないと思ってその場を離れたが、後で確認したらその日の内に新記録を作っていて、結局レギュラー・シーズン262本安打だったそうで、なんとも凄い奴だ。

  

12時発のB744型JL006は、定刻に成田国際空港(NRT)を離陸し一路New York(NYC)のJohn F. Kennedy International Airport(JFK:ジョン・F・ケネディー国際空港)へ向かった。シート72Aのある2階からの眺めは翼も邪魔にならず流石に快適だったけど、予約時に「1階になさいますか、2階席はいかがですか?」って聞かれて「2階お願いします!」とマクド(McD)みたいに言っちゃったのを少し反省しつつ思い出してしまったが、あとの祭りさ。シートのアルファベットは、機首に向かって左からA、B、C・・・だから、この席は左側が窓で右手はフリーになるので右利きには使いやすい位置だ。到着後に2階席の前方を撮影した。後方の様子はDays 9&10を参照。

    

搭乗して直ぐにドリンク・サービスのスーパー・ドライを飲んだ後、お昼となりチキンと赤ワインを選び、途中にリフレッシュメントの軽いパンが出て、到着前にワッフルとトマト・ジュースを完食した。飛行中はセルフ・コーナで飲み物は自由に取っていた。

  

  

JFKのTerminal 1には、同日の東部標準時間*311時30分に到着し、飛行時間は約12時間って予定通りのフライトだった。米国に近づくにつれて天気が悪くなったのは日頃のナントカのせいか。

  

パスポート、ED Card、税関申告書を用意して「VISITORS AND GREEN CARD HOLDERS」の列に並ぶが、ジャンボ機一機分の乗客でImmigration(入国審査)は大混雑状態で、しかも2階席からの脱出に手間取り最後尾に着いたものだから1時間は待たされた。質問は「目的は何だ?」って1つで終わったけど、9月30日から始まった入国時の顔写真撮影と指紋採取のため以前に比べて時間がかかった。最後にED Cardの一部を返してくれるがこれは大事にしとかないと出国時に厄介なことになる。Baggageclaim(手荷物受取)はスルーして直ぐにCustoms(税関検査)へ向い、申告するものがないので税関申告書を渡して入国審査は無事終了。

ターミナルの外へ出て、最初のイベントである今夜のMLB Tourの確認をした。僕の携帯は、auのグローバル・パスポート対応機種なので日本と同様に米国でもそのまま着発信可能なのは便利だと思っていたけど、これ以降予想以上の活躍をしてくれることになった。


Manhattan(マンハッタン)のホテルへ移動するため、Terminal 1から昨年暮れ(2003年12月)に全線開通したばかりの電車AirTrainでStation D(Jamaica Station)へ向かう。AirTrainは無料で利用できるが、ゲートを出る時に料金徴収される仕組みになっている。例えば、JFKでTerminal間を移動する際のAirTrainは無料だけど、地下鉄やバスなんかへの乗り換えで出る際に$5取られる(連絡している地下鉄へ乗る前に$2必要となるし、バスとかも同じだ)。


ちなみに、AirTrainを使ったTerminal 1からJamaica Stationへの最短は、JFKの各Terminalを周回している内回り(時計回り)に乗って次のTerminal 8/9で降り、そこからStation D行きの外回り(反時計回り)へ移るって方法だけど、僕はTerminal 1からStation D行きの外回り(Station A行きも同じホームなので注意!車体のドアに行き先が表示されている)に乗りJFKをぐる〜っと一周してみたが、無料見学をさせて貰えると思えば20分かける価値はある。


このAirTrainは、NYCの交通を仕切っているMetropolitan Transportation Authority(MTA)の地下鉄やバスと共通のMetro Cardが使えるので、Jamaica Stationで$20のPay-Per-Ride (回数券) を購入した。$10以上の回数券(デザインは全部一緒)には購入金額の20%相当のボーナスが付くから、これ1枚で一乗り$2の地下鉄を12回乗れるんだけど、AirTrainから出る時に$5取られるので残りは9回分($18相当、残っても換金できない)となる。購入はVending Machine(自販機)でクレジット・カードや現金で可能だし、画面メニューに日本語もあるから自販機でJRの切符を買える人なら問題ない。但し、現金購入の場合、お釣りはコインで$6以下しか扱わないので高額紙幣は要注意。使うには日本のように横(カード面を水平)に投入するのではなく、立てて改札機に磁気ストライプ部分を通しながら歩けばOKだ(カード裏面に使用方法がプリントされている)。飛び出すカードに合わせる必要がないから慣れればこっちの方が簡単だろう。

  

Jamaica Station(写真左)から連絡しているSutphin Blvd. Station(写真右)へ移動し、地下鉄のE Lineで34 St.-Penn Station(ペン駅*4)まで乗る。約60分で$7(AirTrainの$5を含む)だけど、同ルートをLong Island Rail Road Express Trainなら$11.75(AirTrainの$5を含む)で約35分、Terminal 1からNew York Airport Service Express Busでペン駅までが$13で60-80分(時間帯によってかなりバラツキあり)で、予算とスケジュールとの兼ね合いから今回は地下鉄にした。

  

地下鉄に乗る前にウロウロしていたら、ホームでギターを弾いているおやじが近づいて来て「どこへ行くんだ?」って聞くから「ペン駅だよ!」って答えたら、「こっちに来る電車に乗れ!」と親切に教えてくれた。ツアーにはバスが迎えに来るのだろうし、土曜日昼下がりの地下鉄はガラガラだった。

    

ペン駅に到着し、取り合えず近くの階段から地上へ出ると、正面にEmpire State Building(エンパイア・ステート・ビル)が見えた。今回は結局登らずじまいだった。

  

ペン駅と7th Avenue(7番街)を挟んで向かい合っているホテルPennsylvaniaにチェック・インした。予約した時に送られたメールのプリント・アウトの予約確認を見せただけでOKだった。ここは3泊税込み$381.60で予約完了と同時にカード決済となり、あとは特別ナニカを利用しない限りチャージされない。一人なら十分な広さなのだが、15階と言うことで眺望を期待したのに、窓の外は別棟が近接していた。

    

15時、ホテルの目の前にドカ〜ンとそびえる巨大円形建物Madison Square Garden(MSG)の地下のペン駅へ戻り、Amtrakのチケットをピック・アップしに行く。MSGは、数時間後のTrinidad vs Mayorga and Middleweight Championshipを控えて結構にぎやかだったし、10月7日にはBarry Manilowが歌えば、15日からはNHLのNew York Rangersのホーム・リンクとして使われるってことで、スポーツ、コンサート、エンターテイメント一般を扱う日本武道館みたいな感じだ。5月にクレジット・カード(JCBは不可)を使ってサイトで予約しておいたんだけど、その時は予約番号しかわからないんだ(でも、料金は事前にしっかり口座から引かれる)。Quik-Trak(自動発券機)へ予約時に使ったクレジット・カードを挿入するだけでゲットできた。

    

その後、ウインドゥ・ショッピングしながら5番街と6番街に挟まれた48th Street(48丁目)にある紀伊國屋書店N.Y.店へミュージカルのチケットを引き取りに向かった。これも春に予約しておいたもので、Coupon(予約票)とチケットを交換しだ。今回は明日のマチネ(昼公演)と明後日の夜の部をゲットしたのでお楽しみはおあずけ。松井稼頭央のいるNew York Mets vs Montreal Expos(モントリオール・エクスポス)のNight Game(19:00〜)を観にShea Stadium(シェイ・スタジアム)*5へ行くMLB Tourの集合は、5ブロックほどしか離れていない6番街に面した53丁目のNew York Hiltonに17時30分なので、近くのRockefeller Center(ロックフェラー・センター)なんかをブラブラして時間を潰した。

    

ホテルのロビーで案内のケイ氏と会い彼の車に乗せて貰う。Queensboro Bridge(クイーンズボロー橋)を過ぎてマンハッタンからクイーンズに入る際に、ヤンキースの松井の住んでいるマンション(写真左の中央の黒いタワー)や、Julia Roberts(ジュリア・ロバーツ)の『CONSPIRACY THEORY(陰謀のセオリー)』に登場する工場の煙突群が見えたりして結構楽しめ、やがてシェイ・スタジアムが現れた。しかし、天気が悪く雨が降ってきた。

  

一塁側(もちろんメッツのホーム側)内野席でフィールドが一望でき、昨日のゲームからセカンドを守る松井稼頭央がすぐ近くに見えるGoodな位置で、東京ドームならA指定席相当か。料金は、$43.00(約5,000円)で巨人主催試合のA指定席5,200円(S指定席5,900円)と同等だけど、手数料と送迎費をプラスして$120.00となる。腰痛で長らく戦列を離れていた松井もようやく先週から合流しており、幸いにもプレーを見ることが出来たのはラッキーだった。


カネ(トランペット)やタイコがなく声と拍手の応援はとても新鮮だったし、サービス精神が旺盛で客を飽きさせない工夫が随所に感じられるエンターテイメント性が極めて強いショーって感じで、流石米国って思った。ところで、相手のエクスポスは、今期限りで無くなることが決まっており、三塁側の2階席には応援団が大挙しているようで、メッツよりもにぎやかだった。

    

今シーズンのメッツは、既にプレー・オフ出場権を獲得できず(地区最下位)、ラス前の消化ゲームと言うリーグの大勢に影響のない日程だったけど、キャパ55,777人の60%以上は入ってにぎやかで、稼頭央も2本のヒットと1個のエラーと魅せてくれたし(笑)、試合内容もなかなかエキサイティングで楽しませて貰った(結局3対6で負けだ)。まあ、試合も最後まで出来たし、$12で定番のホット・ドッグとビールもしっかり味わい満足したね(写真中は、ソーセージと7th Stretchの歌に登場するクラッカー・ジャックで、$8だった)。

    

道路が込みそうだったのでここでケイ氏と別れ、球場駅から一人で地下鉄7 Lineに乗りマンハッタンまで急いで戻る。一塁側から出て球場を反時計回りにライト側へ進むと、地下鉄のWillets Point-Shea Stadium駅へ続く歩道橋へ辿り着く。地下鉄の駅でもこの辺は地上駅なのだ。この駅は、Laguardia Airport(LGA:ラガーディア空港)やテニスのU.S. Openが行われるFlushing Meadows(フラッシング・メドウ)にも近い。


30分くらいで終点のTimes Sq(タイムズ・スクエア)42丁目駅に付き、急いで8番街44丁目のBirdland*6へ入る。ここは23時からのArchie Sheppを予約していたのだが、サイトで予約(手数料$4)した際の控えをプリントして入口のお姉ちゃんに渡したらステージ右側の一番前を用意してくれた。サックスを中心に、ピアノ、ウッド・ベース、ドラムからなるカルテットはなかなかの迫力で1時間半を楽しませて貰った。


$10のミニマム・チャージを取られるが、TableにしろBarにしろ、1ドリンクが含まれているので良心的だろう。Birdland Burger(8 oz. of Ground Sirloin or Turkey grilled to perfection and served with all the fixings)にビール2本を頼んで$25(予約時に別途$30支払済)強だった。

    

夜風に吹かれながら32丁目のホテルに戻ったのは日付が変わった夜中の2時過ぎだった。街はまだまだにぎやかで、本当に「ビッグ・アップル*7は眠らない!」って感じだ。計算するとJST10月3日15時過ぎだから、カレコレ34時間動いていることになる。英会話で付き合ってくれている講師のマイケル(アトランタ出身)は、「東へ移動する時は食べるか眠るかだ!」って言ってたけど、細切れの睡眠はやっぱり応える(笑)。本番に備えてのリハビリを兼ねたNYC3日間の第1日目が終わった。そろそろしっかり寝ないと持たない。

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*1:機内持込み手荷物は、身の回り品(ハンドバック、カメラ等)のほか、3辺(縦・横・高)の和が115cm、重量が10kgを超えないもの1個となっているし、例のテロ事件以降機内持込制限品目が厳しくなって、ハサミでも50万円以下の罰金の対象だ。今回は、他にGHURKA Safari(Leather-Chestnut)を携行した。ちなみに、上はヤフオクでゲットしたUS Air Forceの革ジャン、下はLEVI'S、足はNIKE、と今回は"Made in USA"で統一。

*2:参考までに、今回の取得マイルは以下の通り。

DATE
DESCRIPTION
MILES
BONUS
BALANCE
2004.10.02
JL 0006 Y TOKYO-NEW YORK
4,716
250
4,966
2004.10.10
JL 5503 Y COLUMBUS-CHICAGO
 207
-
5,173
2004.10.10
JL 0009 Y CHICAGO-TOKYO
4,400
250
9,823

*3:米国は広い!それを実感させてくれるものの一つが、ハワイやアラスカを除く米国本土を4つのタイムゾーンに区切り、東から、東部標準時間(EST)、中部標準時間(CST)、山岳部標準時間(MST)、太平洋標準時間(PST)と1時間ずつ時差があることだろう(真ん中の「S」は、Standard(標準)だけど、省くこともある)。更に、1986年から実施されている方式で、4月の最初の日曜日の午前2時から時計を1時間進め、10月の最終日曜日の午前2時に1時間戻すDaylight Saving Time(所謂サマー・タイム)により、この時期のESTは、日本標準時間(JST)に対して25時間(通常は26時間)遅れているんだ。

*4:"Penn Station"ってのは、マンハッタンにある2つの“横綱駅(巨大ターミナルって言う意味だ)”の西に位置するPennsylvania Station(ペンシルバニア駅)のことで、東の横綱はGrand Central Terminal(グランド・セントラル駅)だよ。米国(人)は、NYCのように地名やJFKのように空港、駅やバスターミナルなんかを幾つかの文字で表示するなど、なんでもかんでも簡略化が大好きで、Amtrakの時刻表なんかではNYPと表示されている。僕も真似してペン駅なんて省略するから気をつけてね(笑)。地下鉄は、市役所から145丁目まで約15kmの区間で営業し、現在は468駅、1日当たりの利用者数約450万人を数えるまでに拡大して、今年の10月27日に開通からちょうど100年を迎える。

*5:ちょうど40周年ってことで、こんなものを買ってはみたものの、着けるものがない。
National Emblem New York Mets Shea Stadium 40th Anniversary Embroidered Emblem with Collectible Backing $14.99
Patch up your shirt, jacket, or bag with this embroidered emblem featuring your favorite team's logo. Now you can support your team anywhere at any time and always look great doing it!
だそうです。


*6:1920年代の後半にChicago(シカゴ)から多くのジャズ・ミュージシャンが移って来て以来、NYCはジャズのメッカとなったが、1949年12月の開店当時はブロード・ウェイ52丁目から数ブロック西にあった。Day 3で行ったVillage Vanguardに比べると洗練された都会のイメージを受ける。1955年、数多くのレコーディングも行われたステージに、僕の大好きなStan Getz(スタン・ゲッツ)は立った。

*7:この街を"Big Apple"と呼んだのは、1956年に出版されたStephen Longstreet(ステファン・ロングストリート)著『THE REAL JAZZ: OLD AND NEW』が最初だったってのは知っていたけど、まさか手に入るとは思っていなかった。後で出てくるけど直ぐに知りたかったらDay 3を参照。