中川歯科医院


歯の構造、虫歯の実際




よく知られている、歯の構造です
歯の核となるところに歯髄があり
その周囲を象牙質が覆っていて
歯頚部を境に、歯冠部はエナメル質、歯根部はセメント質に包まれています

歯冠部のエナメル質は水晶ほどの硬さがあり
実際に歯を削ってみるとわかりますが
エナメル質はダイヤモンドバーでないと、なかなか削れません

ところが、歯冠部のエナメル質を削っていき、象牙質に達すると
歯を削る抵抗が少なくなり、ダイヤモンドではなくスチールバーでも、容易に削れます

歯根を覆っているセメント質は、歯根膜に結びついて、歯槽骨と歯根をつなぎ
歯槽骨に、歯根膜をクッションにして、歯根を固定しています



実際に天然歯を切断してみたものが、この写真です
ほんの数ミリのエナメル質が、歯冠部を覆い、内部の象牙質を守り
6歳で萌出した歯が、80年以上お口の中でがんばるわけです

注目していただきたいのは
歯の歯頚部
歯冠部のエナメル質と歯根部のセメント質の境目です
ここには、丈夫なエナメル質もなく、もし歯周病で歯肉が下がるときは、露出して
無防備な象牙質に一番近くなります

エナメル質のガードが無い歯頚部が、虫歯になりやすいことはもちろんですが

歯ブラシの時、堅い歯ブラシで横にゴシゴシ磨かれると
容易に摩耗しやすい場所です
このとき、知覚過敏により、痛みが出ることもあります


歯冠部の歯磨きは、ゴシゴシしても平気ですが
歯頚部は、極力柔らかめの歯ブラシで、優しく磨いてください

また、切断した歯の咬合面を見るとわかりますが
エナメル質が咬耗により減ってきているところがあります
患者さんのお口の中を見ていると
咬合面のエナメル質が、咬耗により無くなって
咬合面に象牙質が露出したことにより
食事中の酸により溶かされてきてクレーターのように陥没している歯が見受けられます
ゆっくりの変化のため、ご本人が気がつくことは少ないです



以前、出張の多い患者さん
出先で夜食の時、つい飲み屋で大好きな酢の物を肴に一杯
その結果は、かなり、歯の咬合面が溶けていました
酢の物が大好きな方は、お口の中に酸がとどまることがないよう
早めの水分で流すことをおすすめします




この患者さんは、親知らずが痛み出し来院されましたが
残念なことに
手前の歯に、大きな虫歯があり、親知らずがそこへ食い込んでいました

このように
歯の歯頚部、エナメル質もなくセメント質もないところは
親知らずが横に生えているとき
一番被害を受けやすく、虫歯になりやすい場所です









虫歯は無かったのに、歯ブラシのやり方が間違っていたために
肝心の歯は、一番弱い歯頚部がキツ状欠損となり
磨いていたのに、歯周病で揺れてきて抜歯となりました

歯頚部は、丈夫なエナメル質もなく、セメント質もなく、一番弱い場所です








歯槽膿漏で抜歯した歯です


咬合面にカリエスらしき部位が見受けられたので
歯を切断してみました
初めに、歯の構造でも説明しましたが
歯冠部を覆っている丈夫なエナメル質を通過したカリエスは
画像を見て分かるように、歯の中でエナメル質と象牙質との境目で
横に虫歯が広がり始めます
このため、治療に際し、歯を削ってみると、予想以上に虫歯が広がっていることがあります





この歯は、親知らずで、抜歯した理由は歯肉が腫れるということで抜きましたが
咬合面にカリエスがあったので、歯を切断してみました




切断してみた親知らずです
患者さんは歯の痛みは訴えていませんでしたが
画像を見て分かるように、もう少しで神経にまで虫歯が届くところでした
この場合も、エナメル質を通過したカリエスが、象牙質で横に広がって大きな虫歯を作っていることがわかります

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